製造間接費の計算演習

複数の共通原価をそれぞれの使用基準で配り、製品別の合計を作ります。配賦率の逆算や、分母・端数・在庫条件の確認を通じて、実際の集計表を読めるようにします。

この単元で学ぶこと

  • 異なる配賦基準のプールを別計算する
  • 配賦率・基準量を逆算して照合する
  • 原価総額の変化と配分変更を区別する

本文解説

二つのプールを分ける 工場電力10,000円は機械時間A4:B6、家賃6,000円は面積A3:B1で配るとします。電力はA4,000円・B6,000円、家賃はA4,500円・B1,500円です。A合計8,500円、B7,500円で全体16,000円へ一致します。指定された二つの利用関係を一つへ潰しません。

直接費と合流する A直接費11,500円、B直接費12,500円なら、前の配賦額を加えて両方20,000円です。直接費の大小と総原価の大小は一致するとは限りません。費用資料合計24,000円+共通16,000円=40,000円も製品別合計と一致します。

三製品へ分ける 共通費18,000円を基準量A2:B3:C4で配るなら合計9、1単位2,000円、A4,000円・B6,000円・C8,000円です。三製品だから等しく6,000円ではありません。比率の数字も基準量として合計し、分母に三つ全部を入れます。

基準量ゼロの解釈 使用時間比例で配る共通費について、A0時間・B10時間なら、その費用のA負担は0、B負担は全額です。ただしAの原価全体がゼロになるわけではありません。A専用材料や別の面積基準の家賃があれば、その原価は別途負担します。どのプールの話かを限定します。

率から原価を戻す 率300円/時間と総時間50時間が分かれば共通額は15,000円です。A配賦額6,000円ならA20時間、Bは残り30時間です。金額と時間の表を逆方向へたどり、元資料に戻るかを確かめます。金額と率を単純加算するのでなく、単位を見て掛け算・割り算を選びます。

端数は最後まで条件に従う 共通10,000円をA1:B2で配ると割り切れません。例えばAを円未満四捨五入して3,333円、Bを残額6,667円とする指定なら合計は保たれます。先に率を大きく丸めてから各量へ掛けると合計がずれる場合があります。問題で端数処理を指定しないまま、丸め方が違う近接額を唯一正答にしません。

配分変更と実際削減 当期製造分全量販売、期首期末在庫なし、売上等不変で、共通額16,000円の配り方だけ変われば、製品別利益は動いても全体営業利益は変わりません。実際の電力使用が減り総額が15,000円になれば、その1,000円は他条件一定で全体利益を増やします。配る前の額と配った後の額を区別します。

検算の順序 まず資源ごとの配賦額合計を各プール総額へ照合し、次に対象別合計を直接費へ加え、最後に全体原価へ戻します。Aの合計だけが合っていてもBの転記に誤りが残る場合があります。複数方向の検算で漏れと二重計上を調べます。

図解

二つの基準を別々に計算
対象別合計8,500+7,500はプール合計16,000に一致する。

重要ポイント

  • プール別に指定基準を守る。
  • 基準ゼロはそのプールの配賦額だけをゼロにする。
  • 端数処理は指定し、配賦総額を保存する。
  • 全量販売などの条件で利益への影響を判断する。

間違えやすい点

  • 基準比率を製品数で置き換えない。
  • 配賦率を丸めて合計差を放置しない。
  • 一費用のゼロ配賦を製品総原価ゼロとしない。

用語解説

配賦プール
同じ基準で配る共通原価をまとめた単位。
残額処理
一方の配賦額を丸めた後、他方を総額との差額で定める処理。
配分変更
共通費総額を変えず、負担先への割当を変えること。

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参考資料

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