製品を理解する

製品は製造を終えた品物と、それに対応する原価です。仕掛品から受け入れた完成原価を、販売した分と売れ残った分へ分け、数量と価額を同時に追います。

この単元で学ぶこと

  • 製品と仕掛品・材料を区別する
  • 製品数量の増減と原価の増減を結び付ける
  • 製品原価と販売価格を区別する

本文解説

完成で製品へ移る 製造途中の仕掛品が完成すると、その原価を製品へ移します。まだ販売していなくても完成原価は存在し、在庫として残ります。未使用材料、未完成仕掛品、完成製品は、それぞれ製造の進み方が違う在庫です。同じ金額を複数の段階へ同時に残さないようにします。

数量の増減 月初製品10個、当月完成40個、販売35個なら月末15個です。月初+完成-販売=月末の式を使います。製造部門が完成させた量と、販売部門が販売した量が同じ月に一致するとは限りません。販売は原価のない消滅ではなく、製品から売上原価へ移る段階です。

原価の増減 月初製品2,000円、当月完成原価8,000円、月末製品3,000円なら売上原価7,000円です。2,000+8,000=7,000+3,000という価額の保存です。完成原価8,000円がそのまま売上原価になるのは、在庫の増減などが合致したときだけです。

同一原価条件で単位額を使う 上記のすべての製品が1個200円という条件なら、完成40個は8,000円、販売35個は7,000円、月末15個は3,000円です。数量表へ200円を掛けた価額表が一致します。評価単価が異なる在庫が混ざる場合の方法は別の条件として扱い、この例から一律単価を無条件に一般化しません。

販売価格は在庫原価ではない 1個200円で製造した製品を350円で売るなら、売上は350円、売上原価は200円で、その差150円が売上総利益です。まだ売れていない製品15個を販売予定価格350円で5,250円と評価するのは、この原価評価の条件には合いません。原価と売価の二つの単価を区別します。

販売数に対応する利益 35個を350円で売るなら売上高12,250円、原価7,000円、売上総利益5,250円です。1個差額150円×35個でも一致します。売れ残り15個に対する予定利益2,250円は、販売していないのでこの売上総利益へ加えません。

完成原価が小さく見える場合 同じ売上数量でも、月初在庫があれば当月の完成数量より多く売れることがあります。月初20個、当月完成10個、販売25個なら月末5個です。販売25個から当月完成10個だけを見て数量不足と判断せず、月初在庫を含めた利用可能量を確認します。

製品別に分ける AとBは製造原価や販売価格が違う場合があるため、各製品の数量と原価を別々に追います。Aの残量へBの単価を掛けると在庫も利益も誤ります。全体合計を作る前に、AとBそれぞれの月初・完成・販売・月末の表が成立するかを確認します。

図解

50個の製品原価を分ける
すべて200円/個という条件で数量と価額を照合する。

重要ポイント

  • 月初製品+完成=販売分+月末製品。
  • 完成と販売は別の時点。
  • 原価評価では売価を在庫単価にしない。
  • 販売数に対応する原価だけを売上と比べる。

間違えやすい点

  • 月初在庫を販売可能量から落とさない。
  • 売れ残りの予定利益を当期利益へ加えない。
  • 製品別の単価を入れ替えない。

用語解説

製品
完成して販売に供せる状態となった生産物とその原価。
完成原価
製造を完了した分に対応し仕掛品から製品へ移る原価。
製品単位原価
完成した対象製品1個へ対応する製造原価。

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参考資料

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