仕掛品の計算演習
完成・未完成の数量と、材料・加工の投入条件を分けて仕掛品を評価します。原価総額との照合や月初・月末の逆算を行い、進捗率の誤適用を見つけます。
この単元で学ぶこと
- 材料と加工の異なる負担量を計算する
- 投入原価を完成と未完成へ分けて照合する
- 期首・期末・完成原価の不足数値を逆算する
本文解説
共通資料を分解する 月初仕掛品なし、当月100個開始、60個完成、40個が月末加工25%で残り、仕損なしとします。材料は開始時に全量投入、加工は進捗に比例。評価単価は材料50円/個、完成加工80円/個と指定します。実物数量100=60+40と、加工量60+40×25%=70個相当を分けます。
月末原価を先に求める 月末40個の材料は40×50=2,000円です。加工は40×25%×80=800円なので月末仕掛品2,800円です。材料も25%として500円にすると、開始時全量投入という条件を無視します。1個当たり70円、40個で2,800円という別の計算もできます。
完成した原価を求める 完成60個は材料50円と加工80円を全額負担し、1個130円、合計7,800円です。月末仕掛品2,800円と合わせて10,600円。投入材料100×50=5,000円、加工70個相当×80=5,600円の合計と一致します。評価を二方向から確かめます。
進捗率が変わる場合 月末40個の加工進捗が25%から50%へ変わり、評価単価は同じなら加工額は800円から1,600円へ800円増えます。材料額は全量投入済みなので2,000円で不変です。この比較は評価単価固定の条件で、原価総額固定のまま進捗だけ変えた配分問題とは区別します。
月初がある価額の逆算 月初仕掛品3,000円、当月投入22,000円、月末4,000円なら完成21,000円です。完成21,000円、月末4,000円、当月投入22,000円が分かれば月初3,000円へ逆算できます。この金額残高例では、月初仕掛品の進捗を使った評価方法の比較は行いません。
完成数量と加工量を混ぜない 完成60個と仕掛40個・25%から加工量70個相当を求められても、販売可能な完成品が70個あるという意味ではありません。完成品は60個、作りかけは40個です。材料単価の対象100個、加工単価の対象70個相当、完成品単価の対象60個と、分母の意味が変わります。
未完成原価の増加を読む 当月投入原価が20,000円で一定、月初仕掛品が2,000円、月末が7,000円なら完成15,000円です。仕掛品が5,000円増えた分だけ、投入より完成原価が5,000円小さくなります。未完成の増加を費用の消失と考えず、原価が在庫へ残る動きとして説明します。
仕損がある資料は別条件 開始数量と完成+月末が一致しないとき、数量損失や記録漏れの可能性があります。損失を誰に負担させるかを指定せず完成単価を決めることはできません。この初級例は仕損なしと明示しているため、物量と価額の基本的な保存関係を使います。
図解
重要ポイント
- 実個数と加工量の尺度を分ける。
- 投入材料5,000+加工5,600=完成7,800+月末2,800。
- 単価固定の比較と総額固定の配分は別条件。
- 数量損失があるときは負担条件が必要。
間違えやすい点
- 材料を加工率で減らさない。
- 加工相当70個を完成数量としない。
- 月末増加を原価の消失と呼ばない。
用語解説
- 完成相当量
- 未完成品の加工進捗を完成品何個分の加工に相当するかで表した尺度。
- 投入原価
- その期間に製造工程へ加えた材料・労務・間接費等の原価。
- 物量の照合
- 開始・完成・月末などの実数量が保存されているか確認すること。
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参考資料
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