売上原価を理解する
製造した製品の原価が、いつ売上原価になるかを学びます。在庫を経由する流れを数量と金額で追い、売上総利益と営業利益を区別します。
この単元で学ぶこと
- 製品在庫から売上原価を求める
- 製造原価と売上原価の違いを説明する
- 売上総利益から営業利益へ進む
本文解説
売れた製品に対応する原価 売上原価は、その期間に販売した製品の原価です。製品を完成させても未販売なら製品在庫に残ります。原価200円の製品を350円で販売したとき、売上350円に対応する売上原価は200円、差額150円が売上総利益です。販売価格を在庫原価に用いません。
製品勘定の金額の流れ 月初製品3,000円、当月完成原価12,000円なら販売可能原価は15,000円です。月末製品4,000円を残したので売上原価は11,000円になります。月初+完成-月末=売上原価の式は、原価の行き先を販売分と残存分に分ける式です。
数量で先に検算する 月初15個、完成60個、月末20個なら販売55個です。すべて同一原価200円/個なら、55×200=11,000円で金額式と一致します。製品の原価が異なる場合は一律200円を使えないので、評価条件を先に確認します。
完成原価との違い 当月完成12,000円と売上原価11,000円の差1,000円は、製品在庫が3,000円から4,000円へ増えたためです。販売せず残った分を当月売上に対応させないことが理由です。逆に月初在庫を多く販売すれば、売上原価が当月完成原価より大きくなることもあります。
売上総利益を計算する 55個を350円/個で販売すると売上高19,250円です。売上原価11,000円を引くと売上総利益8,250円になります。単位当たり差額150円×55個でも一致します。売上原価率は11,000÷19,250であり、利益率と分子が異なります。
営業利益へつなぐ 同じ月の販売費及び一般管理費が5,000円なら営業利益は8,250-5,000=3,250円です。販管費は製品在庫へ加えず、期間の費用として売上総利益から引きます。工場費用を含めて計算した製品原価を、営業利益計算で二度引かないようにします。
月末在庫の評価誤り 実際の月末製品4,000円を誤って5,000円とした場合、売上原価は10,000円となり1,000円過小です。その分、売上総利益と営業利益は各1,000円過大になります。現金支出の有無でなく、売上原価から控除する在庫額が利益へ影響する点を追います。
製造工程からの接続 完成原価は製造工程の集計から受け取ります。月初仕掛品2,000円、当月投入14,000円、月末仕掛品4,000円なら完成12,000円です。これを製品の式へ入れて売上原価11,000円へ進みます。仕掛品残高と製品残高を一つの欄へ混ぜないことが重要です。
図解
重要ポイント
- 売上原価=月初製品+完成原価-月末製品
- 売上総利益=売上高-売上原価
- 営業利益=売上総利益-販管費
間違えやすい点
- 未販売製品をすべて当月費用にしない
- 月末在庫を増額すると売上原価は減少する
用語解説
- 売上原価
- 販売した製品に対応する原価。
- 売上総利益
- 売上高から売上原価を控除した利益。
- 営業利益
- 売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した利益。
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参考資料
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