原価計算表の計算演習
空欄のある原価計算表を、行合計・列合計・原価保存の三方向から完成させます。配賦基準の異なる費用を分け、部門や製品をまたいだ重複計上を防ぎます。
この単元で学ぶこと
- 費目・製品別の空欄を逆算する
- 異なる配賦基準を併用する
- 表の誤分類が利益へ与える影響を説明する
本文解説
資料を欄に分ける A直接材料6,000・直接労務4,000、B直接材料3,000・直接労務5,000という資料なら、A直接10,000、B直接8,000です。材料合計9,000、直接労務合計9,000の行から見ても直接費合計18,000になります。記入前に共通費と直接費を分けます。
二つの配賦基準 共通電力6,000円は機械時間A2:B1で配賦してA4,000・B2,000。工場賃借料4,000円は面積A1:B3でA1,000・B3,000です。間接費10,000を一律同じ比率で配るのでなく、指定された原価と基準の組を保ちます。
製品別投入の完成 A間接費5,000、B間接費5,000なので投入はA15,000、B13,000です。直接費18,000+間接費10,000=総投入28,000と一致します。配賦後の表に共通費10,000を独立した第三製品のように残して総計へ加えません。
完成欄を逆算する Aは月初仕掛1,000・月末2,000なので完成14,000、Bは月初2,000・月末1,000で完成14,000です。投入が違っても在庫調整後の完成原価が等しくなる例です。全体の仕掛は期首期末とも3,000なので、全体投入28,000と完成28,000は一致します。
製品欄へ引き継ぐ A月初製品2,000・月末3,000なら売上原価13,000、B月初1,000・月末2,000なら売上原価13,000です。全体売上原価26,000と期末製品5,000の合計31,000は、期首製品3,000と完成28,000の合計に一致します。
利益表を完成する A売上20,000、B売上18,000ならA総利益7,000・B総利益5,000です。全体売上38,000-売上原価26,000=12,000です。共通販管費8,000を指定されたA:B=3:1で配賦するなら、A6,000・B2,000。製品別営業利益はA7,000-6,000=1,000、B5,000-2,000=3,000で、全体4,000と一致します。この比率は計算条件であり、根拠なく等分しません。製品別売上総利益と営業利益を区別します。
不足額から原因を探す 費目別投入28,000に対し製品別合計24,000なら4,000が不足しています。まず賃借料4,000の配賦漏れ等を調べますが、差額が一致するだけで原因を確定できません。元資料と配賦記録を照らし、複数の誤りが相殺している可能性も残します。
販管費の混入を訂正する 当期製造分を全量販売し在庫がない条件で、販管費2,000を製造原価へ誤分類すると売上総利益が2,000小さくなります。同額を販管費から除いたままなら営業利益は不変です。在庫が残る場合には費用の期別配分も変わり得るので、この結論は条件付きです。
図解
重要ポイント
- 原価ごとに指定された配賦基準を守る
- 製品別の在庫調整後に全体を照合する
- 誤分類と集計漏れを分けて考える
間違えやすい点
- 配賦済み間接費をさらに合計しない
- 差額一致だけで誤りの原因を断定しない
用語解説
- 配賦基準
- 共通費を対象別へ分けるための量。
- 空欄逆算
- 合計と既知の内訳から未知の値を求めること。
- 誤分類
- 費用総額は同じでも所属する区分を誤ること。
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参考資料
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