製品の計算演習
製品の月初・完成・販売・月末を逆算し、製品別の在庫原価を集計します。販売返品がある単純例も用い、売上金額と原価の戻りを混同しない計算を身に付けます。
この単元で学ぶこと
- 製品数量と価額の欠けた数値を逆算する
- 返品後の純販売数と月末原価を求める
- 製品別在庫と売上原価を照合する
本文解説
完成量を逆算する 月初製品12個、販売45個、月末17個なら当月完成は50個です。販売45と期末17を用意するには62個必要で、月初12個を引きます。式を逆向きにたどれば、製造部門からの完成数量の記録と倉庫資料を照合できます。
原価額も同じ形で 全量250円/個なら月初3,000円、当月完成12,500円、販売原価11,250円、月末4,250円です。3,000+12,500=11,250+4,250。完成原価を金額で逆算しても11,250+4,250-3,000=12,500円となります。
販売返品の数量 月初10個、完成40個、当初販売36個のうち、同じ原価の良品2個が月内に返品されて倉庫へ戻ったなら純販売34個、月末16個です。返品は未完成品へ戻るのではなく、再販売できる製品として数量を増やします。値引きで現物が戻らない場合とは区別します。
返品の原価と売価 原価200円/個、売価350円/個なら返品2個の原価戻りは400円、売上取消は700円です。倉庫へ戻す原価を売価700円にすると利益部分まで在庫へ含めてしまいます。純販売34個なら売上原価6,800円、月末16個の原価3,200円です。
AとBを別々に追う Aは月初5・完成20・販売18で残7個、原価100円/個なら残700円。Bは月初3・完成12・販売10で残5個、原価300円/個なら残1,500円。期末合計2,200円です。数量合計12個へどちらかの単価を一律に掛けないよう、製品ごとの表を保ちます。
単位原価と完成数量 当月の同質完成品50個だけに対応する完成原価12,500円なら1個250円です。金額が同じ12,500円でも完成数量が25個なら1個500円です。単位額を計算するにはその原価がどの数量へ対応するかが必要で、販売数量や月末残量へ勝手に分母を変更できません。
原価が残る段階を確認する 月末在庫が3,000円増加し、完成原価18,000円なら売上原価は15,000円です。今月完成した原価の一部が製品へ残ったと解釈できます。仕掛品の増加も別にある場合は、当月投入から完成原価までと、完成原価から売上原価までの二段階に分けて計算します。
月次報告の読み方 製品在庫増加は利益の計算時点を変えますが、売上が同じでも在庫を増やせば必ず良い経営という意味ではありません。保管や売れ残りのリスク、次月の販売見込みも別途検討します。原価表ではまず対象量と評価条件を正確に示し、数量差や未販売分を隠さず報告します。
図解
重要ポイント
- 完成量=販売+月末-月初。
- 良品返品は純販売を減らし製品在庫を増やす。
- 返品の原価額と売上取消額を分ける。
- 仕掛品と製品の二段階の増減を混同しない。
間違えやすい点
- 返品額を売価のまま製品原価へ入れない。
- 値引きを現物返品と同じに扱わない。
- 在庫増加を自動的に経営改善と断定しない。
用語解説
- 純販売数量
- 当初販売した数量から、現物返品された数量を引いた数量。
- 製品の返品原価
- 良品返品等で倉庫へ戻った品に対応し、製品在庫へ戻す原価。
- 在庫増加額
- 期末在庫原価から期首在庫原価を控除した増加部分。
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参考資料
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