仕掛品を理解する

仕掛品は作りかけの製品です。製造へ投入した原価を完成した分と未完成の分へ分け、材料の投入時点と加工の進み具合を区別して月末原価を求めます。

この単元で学ぶこと

  • 仕掛品と材料・製品を区別する
  • 製造原価の増減から完成原価を求める
  • 単純な進捗条件で月末仕掛品を評価する

本文解説

作りかけにも原価がある 材料を使い作業を進めても、月末時点で完成していなければ仕掛品です。未使用の材料在庫でも、完成した製品在庫でもありません。すでに投入した材料費や作業費などの原価は、未完成だからゼロになるわけではなく、その仕掛品へ対応させます。

仕掛品の増減式 月初仕掛品2,000円、当月投入原価18,000円、月末仕掛品5,000円なら、完成して製品へ移る原価は15,000円です。月初+当月投入=完成振替+月末という価額の流れです。当月投入原価をそのまま完成原価と呼ぶと、月初と月末の作りかけを落としてしまいます。

材料と加工を分ける 材料は工程開始時に全量投入し、加工費は進捗に比例して発生するという条件を考えます。月末に20個が加工50%でも、材料を全量入れているなら材料は20個分、加工は完成10個分の作業量です。見た目の未完成率をすべての費目へ一律に掛けないことが重要です。

単価を与えた仕掛品評価 開始時投入材料は1個100円、完成までの加工原価は1個200円で、加工は進捗比例という評価条件なら、月末20個・加工50%の仕掛品は材料2,000円+加工2,000円=4,000円です。1個当たりは100+200×0.5=200円。未完成品へ完成単価300円を丸ごと掛けません。

完成した分を計算する 同じ評価条件で80個が完成すれば、材料8,000円+加工16,000円=24,000円です。仕掛品4,000円と合わせて28,000円。月初仕掛品なし、仕損なし、当月100個へ材料全量投入という単純な資料なら、材料10,000円、加工18,000円の投入原価と一致します。

進捗率の意味 加工50%とは、ここでは完成までに必要な加工資源の半分を使ったという評価の前提です。必ず経過日数の半分という意味ではありません。20個×50%=完成10個相当の加工量として扱えますが、物理的な仕掛品数量そのものは20個のままです。量と加工の進行を別欄へ記録します。

月末評価と完成原価 利用可能な製造原価20,000円が同じなら、月末仕掛品を5,000円とする場合の完成原価は15,000円です。誤って月末を6,000円とすれば完成原価は14,000円になります。総額が保存されるから、一方を過大にすれば他方は同額過小になります。この時点の完成原価と販売した原価はまだ別の段階です。

初級で扱う範囲 ここでは公式範囲の月末仕掛品原価を、与えられた単価と単純な進捗条件で求めます。個別・総合という制度の比較、先入先出法と平均法の複雑な期首仕掛品処理、仕損の負担計算は追加しません。実務や高度問題で条件が違えば同じ一律計算を使えないことを理解し、材料投入と加工の条件を読む基礎を固めます。

図解

月末20個・加工50%の評価
材料は開始時に全量、加工は進捗比例という条件を分けて適用する。

重要ポイント

  • 月初+当月投入=完成振替+月末仕掛品。
  • 材料投入時点と加工進捗は別条件。
  • 物理数量と加工の完成相当量を分ける。
  • 月末過大評価は完成原価を同額過小にする。

間違えやすい点

  • 未完成を原価ゼロとしない。
  • 開始時全量材料へ加工進捗率を掛けない。
  • 仕掛品原価と完成品原価を混ぜない。

用語解説

仕掛品
製造途中にあり、まだ完成していない製品とそれに対応する原価。
加工進捗率
完成までの加工に対して、どの程度の加工資源を投入済みかを表す割合。
完成振替原価
仕掛品から完成した製品へ移す原価。

関連教材

参考資料

教材データに登録された参考リンクです。リンク先の内容や更新日は提供元でご確認ください。

確認問題の出題・採点や学習履歴の保存にはログインが必要です。