損益分岐点販売量の計算演習
複数の価格案や設備増設があるときの最低販売量を比較します。理論上の計算が実際の能力範囲に入るかを確認し、丸め後の利益を必ず代入して検算します。
この単元で学ぶこと
- 歩合費を含む単位限界利益を求める
- 能力を伴う固定費変更を段階別に評価する
- パック販売と個数の単位を一致させる
本文解説
歩合を含む例 売価1,000円、数量比例費600円/個、販売手数料は売上10%なら単位変動費700円、単位限界利益300円です。固定費24,000円の分岐点量は80個。売上手数料を固定費に入れたり、600円だけを変動費として計算しないようにします。
価格案の比較 売価900円へ下げると手数料90円、単位限界利益900-600-90=210円です。固定費24,000÷210=114.285…個なので、整数最小量は115個です。値引き後も手数料100円を据え置くと条件が異なる計算になります。
丸め結果の代入 114個では限界利益23,940円、利益-60円です。115個なら24,150-24,000=150円となります。『約114個』という概算と『損失を出さない最低115個』を分け、切上げ後の利益が非負で1個少ないと負になることを確認します。
能力上限がある場合 値引き案で最大100個しか販売できないなら、利益は21,000-24,000=-3,000円です。計算上の115個は実現範囲の外です。分岐点を求めただけで実行可能と判断せず、数量制約を確認します。
設備増設の段階 単位限界利益300円、既存固定費24,000円、既存能力100個とします。101個以上には固定費15,000円の増設が必要で、新能力は160個です。増設後固定費39,000円を使うと分岐点130個で、新能力の範囲内に入ります。既存固定費の80個を増設案へ流用しません。
増設直後の利益 100個なら既存設備で利益6,000円ですが、101個を増設して販売すると30,300-39,000=-8,700円です。数量が1個増えたのに固定費の段差により利益が下がります。150個なら45,000-39,000=6,000円で既存100個時と等しくなります。
販売単位をそろえる 6個1箱でしか販売できず、売価600円/個・変動費400円/個、固定費10,000円とします。1箱の限界利益は6×200=1,200円、必要箱数10,000÷1,200=8.333…で最低9箱54個です。理論50個を6の倍数へ調整します。
一つ少ない場合を確認 箱売り例の8箱48個は限界利益9,600で利益-400円、9箱54個なら10,800-10,000=800円です。最低量を求めるときは条件を満たすだけでなく直前の実行可能量が満たさないことまで確認します。
図解
重要ポイント
- 歩合費を含めて単位限界利益を作る
- 増設後は新固定費と新能力の両方を使う
- 箱数を切り上げた後で個数へ戻す
間違えやすい点
- 計算結果が能力範囲外なら実行可能としない
- 増設の固定費段差を無視しない
用語解説
- 段階固定費
- 能力増設等の境界を超えると総額が段階的に増える固定費。
- 整数制約
- 販売数量が整数など特定の刻みでしか選べない条件。
- 実行可能性
- 計算した量が販売単位や能力等を満たすこと。
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参考資料
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