損益分岐点販売量を理解する

損益分岐点を売上金額でなく販売個数で表します。1個売るごとに固定費をいくら回収できるかを用い、整数の製品で損失を出さない最低販売量まで求めます。

この単元で学ぶこと

  • 単位限界利益から分岐点販売量を求める
  • 数量と売上金額の式を照合する
  • 端数を含む理論値と整数の最低量を分ける

本文解説

1個で回収できる額 売価800円、単位変動費500円なら1個の販売から残る限界利益は300円です。期間固定費30,000円をこの300円ずつで回収します。在庫なし、検討範囲で単価と固定費が一定という前提で考えます。

数量の式を導く 販売数をQ個とすると営業利益=800Q-500Q-30,000=300Q-30,000です。利益ゼロなら300Q=30,000となり、Q=100個です。固定費を売価800円で割ると変動費500円の回収を忘れてしまいます。

売上金額と照合 100個×売価800=分岐点売上80,000円です。限界利益率300÷800=37.5%なので30,000÷0.375=80,000円でも一致します。数量を求めた結果の単位は個、率で割った結果は円となることを確認します。

分岐点の前後 90個なら限界利益27,000-固定費30,000=営業利益-3,000円、110個なら33,000-30,000=3,000円です。分岐点からの数量差10個×単位限界利益300円で利益差を計算できます。売上差8,000円をそのまま利益にしません。

端数を含む理論値 固定費30,100円、単位限界利益300円なら理論上の分岐点は100と1/3個です。製品を1個単位でしか販売できない場合、営業損失を出さない最低量は101個です。100個では利益-100円、101個では200円なので切上げの必要性が確かめられます。

固定費削減の効果 単位限界利益300円を保ち固定費30,000→24,000円なら必要量は100→80個に減ります。削減6,000円を300円で割った20個分だけ固定費回収の負担が軽くなります。固定費削減額をそのまま販売個数へ置き換えません。

単位原価低減の効果 売価800円不変、単位変動費500→400円なら単位限界利益400円です。固定費30,000円なら分岐点75個になります。変動費が100円下がっても販売量を単純に100個減らすのではなく、新しい単位限界利益で割り直します。

能力との比較 最大販売可能量が90個なら、元の条件では分岐点100個に届かず最大でも3,000円の損失です。数量増だけでは黒字化できないため価格・変動費・固定費の変更を検討します。ただし販売可能量は設備だけでなく需要条件も含めて確認します。

図解

300円ずつ固定費を回収
売価800、変動費500、固定費30,000。

重要ポイント

  • 分岐点数量=固定費÷単位限界利益
  • 分岐点売上=分岐点数量×売価
  • 整数最小量は端数を切り上げて再代入

間違えやすい点

  • 固定費を売価で割らない
  • 理論値と実売可能な整数個数を混同しない

用語解説

損益分岐点販売量
営業利益がゼロになる理論上の販売数量。
単位限界利益
売価から単位変動費を引いた1個当たりの差額。
販売可能量
生産能力や需要等から実現できる販売数量の上限。

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参考資料

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