損益分岐点売上高の計算演習
過去の損益資料から変動費率を求め、固定費削減や外注化後の損益分岐点を比較します。二つの費用構造では、分岐点が低い案と高売上で有利な案が異なる場合を確かめます。
この単元で学ぶこと
- 実績資料から分岐点を求める
- 費用構造変更後の率を再計算する
- 複数案の利益が等しい売上を検算する
本文解説
実績資料から率へ 売上180,000円、変動費108,000円、固定費54,000円なら変動費率60%、限界利益率40%です。営業利益18,000円は限界利益72,000から固定費を引いた額です。この費用構造が将来も維持されると仮定して分岐点を求めます。
分岐点を求めて代入 54,000÷0.4=135,000円です。この売上の変動費は81,000、限界利益54,000、利益ゼロになります。元の売上180,000と分岐点との差45,000×40%=18,000も実績利益と一致します。式へ代入する検算が有効です。
固定費削減案 変動費率60%を維持して固定費を54,000から45,000へ下げるなら分岐点112,500円です。固定費9,000削減により分岐点は22,500円低下します。同じ売上では利益が9,000円増えますが、分岐点の低下額はそれとは異なります。
外注化案 内製案は固定費60,000・変動費率40%、外注案は固定費30,000・変動費率70%とします。限界利益率は各60%、30%なので、分岐点はどちらも100,000円です。固定費だけが半分という理由で、外注案の分岐点も半分と結論しないようにします。
同じ分岐点でも利益は違う 売上150,000なら内製利益150,000×60%-60,000=30,000、外注利益150,000×30%-30,000=15,000です。一方、売上80,000なら内製-12,000、外注-6,000。固定費負担と売上増から得られる限界利益の両面を比較します。
異なる分岐点の二案 A固定費50,000・限界利益率50%、B固定費20,000・率30%なら分岐点はA100,000、B約66,666.67円です。Bの方が低売上で黒字になりますが、高売上でも常に有利とは限りません。検討売上を指定して比較します。
利益が等しい売上 A利益0.5S-50,000とB利益0.3S-20,000を等しくすると、0.2S=30,000なのでS=150,000円です。両案の利益25,000円で一致します。この150,000は二案の利益が交差する売上であり、営業利益ゼロの分岐点とは違います。
端数と意思決定 Bの分岐点20,000÷0.3は循環小数です。売上を1円単位で扱い、営業損失を出さない最小額を求めるなら66,667円へ切り上げます。理論上の分岐点の概算表示と最低必要額の丸めを区別します。費用以外の品質・納期等は数値比較で確定しません。
図解
重要ポイント
- 実績の営業利益率を限界利益率に代用しない
- 費用構造が変われば分母も再計算する
- 二案の利益交差点とゼロ利益点は別
間違えやすい点
- 固定費だけで案の優劣を決めない
- 最低必要額を四捨五入で不足させない
用語解説
- 費用構造
- 固定費と変動費の組合せ。
- 利益交差点
- 二つの案の営業利益が等しくなる売上等の水準。
- 切上げ
- 最低条件を満たすため端数を上の単位へ調整する処理。
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参考資料
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