安全余裕率を理解する
安全余裕は、現在または計画の売上が損益分岐点をどれだけ上回るかを示します。金額と率を分け、赤字へ移るまでの売上低下余地を同じ費用条件の下で読み取ります。
この単元で学ぶこと
- 安全余裕額と率を求める
- 分母を実際または計画売上とする
- 負の安全余裕と営業損失を対応させる
本文解説
金額で余裕を測る 計画売上200,000円、損益分岐点150,000円なら安全余裕額は50,000円です。これは計画売上が分岐点を超える部分であり、営業利益そのものではありません。その売上にも変動費が発生します。
率の分母 安全余裕率=50,000÷200,000=25%です。基準は計画売上であり、50,000÷150,000の33.33%ではありません。同じ費用構造が続くなら計画売上から25%下がった150,000円で利益ゼロになります。
損益分岐点比率 分岐点売上÷計画売上=150,000÷200,000=75%を損益分岐点比率と呼びます。安全余裕率25%と合計100%です。分岐点が計画売上の小さい割合を占めるほど安全余裕率は大きくなります。
利益との関係 限界利益率40%、固定費60,000なら分岐点150,000です。売上200,000の営業利益は80,000-60,000=20,000。安全余裕額50,000×限界利益率40%でも20,000です。25%の安全余裕率と10%の営業利益率を混同しません。
売上低下後を確認 売上200,000から10%下がると180,000です。分岐点150,000不変なら新安全余裕額30,000、新安全余裕率30,000÷180,000≈16.67%です。旧25%から10ポイントを引いた15%では、分母が変わったことを扱えていません。
分岐点に届かない場合 売上120,000、分岐点150,000なら安全余裕額-30,000、率-25%です。これは余裕がある状態ではなく分岐点へ売上が不足している状態です。限界利益率40%なら営業利益-12,000円となります。負の符号を省かないようにします。
数量でも計算できる条件 単一製品で売価が一定なら、実際数量200個・分岐点150個の場合も(200-150)÷200=25%です。価格が変わる二案では個数差だけで売上の安全余裕を判断できません。同じ単価のもとで金額と数量が比例することが根拠です。
予測と保証の違い 安全余裕率は費用構造と売上の仮定に基づく余裕です。値下げ・原材料高・追加固定費で分岐点が変われば再計算します。高い安全余裕率が需要の維持や現金回収を保証するわけではなく、売上低下に対する期間利益の耐性を見る指標です。
図解
重要ポイント
- 安全余裕額=基準売上-分岐点売上
- 安全余裕率=安全余裕額÷基準売上
- 安全余裕率+分岐点比率=100%
間違えやすい点
- 安全余裕額を営業利益としない
- 低下後は新売上を分母にする
用語解説
- 安全余裕額
- 実際・計画売上が損益分岐点を上回る金額。負なら不足額。
- 安全余裕率
- 安全余裕額を実際・計画売上で割った割合。
- 損益分岐点比率
- 分岐点売上を実際・計画売上で割った割合。
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参考資料
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