労務費の計算演習
作業票から製品別・共通作業別の労務費を集め、人数と時間単位を揃えて照合します。給与総額と手取、追加の会社負担、1個当たりの比較を具体的に扱います。
この単元で学ぶこと
- 作業時間表を製品別原価へ換算する
- 時間換算と人数を二重計上せず計算する
- 賃金原価と給与決済を区別する
本文解説
作業票を分類して集計する 一人の作業記録がA加工6時間、B加工3時間、共通清掃1時間で、すべて1,200円/時間評価ならA7,200円、B3,600円、間接労務費1,200円です。合計は10時間×1,200=12,000円で一致します。時間の分類をしても、費用全体が増えたり減ったりしないことを照合します。
分で記録された作業 Aに75分、Bに45分、時間単価960円なら、分単価は16円です。A1,200円、B720円、合計1,920円。75分を0.75時間と扱わず、60分で割って1.25時間とします。分単価を使えば1,200+720=120分×16と検算できます。
時間単価が異なる人 作業者Xが2時間・1,000円/時間、Yが3時間・1,500円/時間なら、合計は2,000+4,500=6,500円です。時間単価を無加重で平均し全時間へ掛けると、勤務時間が違うため一致しません。総額÷総時間で求める加重平均の時間単価は6,500÷5=1,300円です。
人時を一度だけ反映する 2人が各3時間なら合計6人時です。資料にすでに「合計6人時」と書かれている場合、さらに2人を掛けません。単価800円/人時なら4,800円です。経過時間3時間、人数2人、投入量6人時を別欄へ置くと、人数の二重計上を防げます。
総額と本人控除 給与総額120,000円を労務費とし、本人負担控除18,000円があれば、手取支払は102,000円でも給与に対応する原価は120,000円です。さらに会社負担8,000円を労務費へ加えると明示されていれば128,000円です。本人から預かる控除と会社自身の負担を混ぜません。
割増単価は問題の条件で 通常2時間を1,000円/時間、別に1時間を1,250円/時間で評価する条件なら、合計は3,250円です。この単価は学習例であり法定割増率を一律に説明するものではありません。実際の制度を推測して追加加算せず、提示された時間帯ごとの評価単価を用います。
同一製品の単位労務費 同じ製品40個を完成させ、対応する労務費が20,000円なら1個500円です。翌月同じ品質で50個・労務費24,000円なら480円へ20円下がっています。総額4,000円増加と単位原価20円低下を両方記し、異なる指標を逆の結論として対立させないようにします。
未分類時間を探す 勤務10時間のうちA4時間、B3時間、共通作業2時間しか記録がなければ1時間が未分類です。残りを根拠なくAの直接費へ足すのでなく、作業票を確認します。分類漏れがあるまま製品別の採算を比べると、集計の欠落を低原価と誤認するためです。
図解
重要ポイント
- 製品別額と時間合計×単価を照合する。
- 時間単価が異なる人は個別計算して合計する。
- 合計人時に人数を再度掛けない。
- 本人控除と会社負担は別に把握する。
間違えやすい点
- 分を小数の時間へ直すときは60で割る。
- 労働時間が違う単価を単純平均しない。
- 未分類時間を根拠なく直課しない。
用語解説
- 作業票
- 対象製品や作業内容と消費時間を記録する資料。
- 加重平均単価
- それぞれの投入量を重みとし、原価総額を総投入量で割った単価。
- 本人控除
- 本人が負担する税等を給与から差し引いて預かる額。会社の追加負担とは別。
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参考資料
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