経費の計算演習
経費の請求書と対象期間を対応させ、月額配分・共通費配賦・製品別集計を組み合わせます。設備取得の学習条件や外注加工の対象を明示し、何の金額を足したのか説明できるようにします。
この単元で学ぶこと
- 月次の経費を期間に対応させる
- 共通経費を指定基準で配賦する
- 直接経費と間接配賦額から製品別額を求める
本文解説
月次経費表を作る 工場の当月経費が電力6,000円、家賃12,000円、減価償却2,000円なら合計20,000円です。今月現金で払った額だけでなく、今月に対応する額を並べます。前払いや後払いがある場合は、対象期間の額へ調整してから表へ入れます。
複数月の支払を分ける 6か月分の工場保険料12,000円を均等な保障として前払いしたなら、1か月分は2,000円です。開始から2か月を経過した時点の費用合計は4,000円、まだ経過していない4か月分は8,000円です。保障の期間と残りの期間を合計して6か月になることを確かめます。
残存価額のある設備 取得原価132,000円、残存価額12,000円、60か月へ均等配分なら、配分対象は120,000円で月額2,000円です。残存価額を引かず取得原価を丸ごと割ると2,200円となり条件に合いません。学習例の指定条件であり、税法上の耐用年数や償却方法の選択を問うものではありません。
使用時間で配る 共通経費18,000円をA30時間・B60時間で配賦すると、1時間当たり200円、A6,000円、B12,000円です。基準合計90時間で先に単価を求める方法と、18,000×30/90という比率で直接求める方法が一致します。配賦額合計も18,000円へ戻る必要があります。
直接分を最後に結合する A専用の外注加工5,000円と、共通経費からAへ配賦された6,000円があれば、Aの経費合計は11,000円です。直接分5,000円を共通プールへもう一度入れないよう、直接経費欄と配賦経費欄を分けます。直接把握できる情報を使ってから共通分を配る順序です。
製造と販売管理を別表にする 工場経費20,000円と、本社管理の家賃4,000円、販売広告3,000円なら、製造経費は20,000円、販管費は7,000円です。全社の対象費用合計27,000円を出すことはできますが、製造原価を問う場合に27,000円を使うのは誤りです。表の見出しを確認します。
請求額と消費量を対応させる 電力を当月分として1kWh当たり30円で200kWh使い、他の料金がない条件なら6,000円です。別途基本料2,000円があると明示されれば8,000円です。量に比例する部分と定額部分を分けると、翌月の使用量変化の試算にも使えます。
経費削減と負担の移し替え 共通経費総額が18,000円のままで配賦基準だけ変わりAの配賦額が減ったなら、それだけでは会社全体の資源消費は減っていません。B側の負担が増えた可能性があります。改善を確認するときは、製品別の配賦額と共通費プール総額を同時に比較し、実際の消費削減か配分変更かを分けます。
図解
重要ポイント
- 対象月の費用を集めてから製品別へ配る。
- 配賦前の直接経費を共通費へ重ねて入れない。
- 残存価額があれば配分対象から控除する。
- 配賦額減少だけで全社費用削減とはいえない。
間違えやすい点
- 全社費用合計を製造原価と呼ばない。
- 6か月分の支払を1か月へ全額入れない。
- 配賦基準の分母を片方の製品だけにしない。
用語解説
- 配賦率
- 共通原価総額を配賦基準量の合計で割った、基準1単位当たりの額。
- 残存価額
- 使用終了時に残るとする価額。均等配分例では取得原価から除く。
- 共通費プール
- 複数対象へ配る前に、共通原価をまとめた総額。
関連教材
参考資料
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