直接費と間接費の計算演習
製品ごとの直接費と共通費の配賦表を結び付け、全体原価を保ったまま製品別総原価を求めます。異なる配賦基準や対象の変更も、条件を明確にして比較します。
この単元で学ぶこと
- 直接費表と配賦表を一体で計算する
- 比率法と配賦率法で検算する
- 配分変更と資源消費の変化を区別する
本文解説
二製品の直接費表 Aは材料6,000円・労務4,000円、Bは材料9,000円・労務3,000円とします。直接費はA10,000円、B12,000円です。共通費を配る前に、対応が分かる原価をそれぞれへ直課します。材料合計15,000円と労務合計7,000円からも直接費総額22,000円を確かめられます。
共通費を時間比で配る 共通費8,000円、Aの作業時間10、B30なら総40時間、配賦率200円/時間です。A2,000円、B6,000円となります。比率1:3でも同じです。直接費と合流するとA12,000円、B18,000円、総額30,000円です。
対象別から全体へ戻す A/B総原価30,000円は、直接費22,000円+共通費8,000円と一致します。この一致は配賦先を集計する方向と資源別に集計する方向の検算です。対象別のどこかに費用を二重追加した場合や、共通費の一部を配り忘れた場合は合計がずれます。
数量へ割って単位原価にする Aは同質完成品20個に12,000円、Bは同質完成品30個に18,000円が対応すると、どちらも単位原価600円です。総額が違っても数量が違うため単位額は一致する場合があります。仕掛品など別の原価負担がないという条件を確認して、各製品の原価を各製品の数量で割ります。
面積を基準にする例 工場家賃15,000円を専有面積A40平方メートル・B60平方メートルで配賦する指定なら、A6,000円、B9,000円です。作業時間で配る問題とは分母と単位が違います。指定資料が面積なのに慣れた労働時間へ勝手に変更しないようにします。
複数の共通費を別基準で配る 家賃10,000円を面積A1:B1、電力9,000円を機械時間A1:B2で配賦するなら、Aは5,000+3,000=8,000円、Bは5,000+6,000=11,000円です。二つの資源で利用関係が異なるから基準も違います。すべてを合計19,000円として一つの比率で配ると指定条件から外れます。
利益と配賦基準の影響 共通費総額が一定でも配賦基準を変えると、製品別総原価は変わり得ます。当期製造分をすべて販売し期首期末在庫がなく、売上等が一定なら、配賦額が売上原価へ含まれるため製品別利益も変わります。Aの負担が減れば他の製品へ移る場合があります。製品別の改善効果を説明するときは、実際に資源が減ったのか、負担配分だけが変わったのかを分け、全体利益も確認します。
基準量から逆に照合する 配賦率200円/時間、A配賦額2,000円ならA基準量は10時間です。総額8,000円の配賦には合計40時間が必要なのでBは30時間です。金額から基準量へ逆算して作業記録と比較すれば、転記誤りや分母の取り違えを発見できます。
図解
重要ポイント
- 直接費を先に直課し共通費を一度だけ配る。
- 対象別総額と資源別総額を一致させる。
- 資源に応じて異なる配賦基準を指定できる。
- 配賦変更の影響は全体と対象別を分けて読む。
間違えやすい点
- 総額の多い製品が必ず単位原価も高いと思わない。
- 複数基準の費用を無条件に一つへまとめない。
- 配賦変更だけを実際の節約と呼ばない。
用語解説
- 対象別集計
- A製品、B製品など原価を負担する対象ごとにまとめること。
- 資源別集計
- 材料・労務・その他の資源など、消費した内容ごとにまとめること。
- 配賦の照合
- 対象別に配った原価合計が元の共通原価総額と一致するか確かめること。
関連教材
参考資料
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