製造原価の流れを理解する
材料を買った時、製造を終えた時、製品を売った時は別の段階です。原価が材料から仕掛品、製品、売上原価へ移る流れを追います。
この単元で学ぶこと
- 三つの在庫の違いを説明する
- 当月製品製造原価を計算する
- 製造原価と売上原価をつなぐ
本文解説
三つの在庫 材料はまだ製造へ投入していない資源、仕掛品は製造途中のもの、製品は完成したがまだ販売していないものです。いずれも資産ですが、製造の進み具合が違います。購入額・投入額・完成額・販売額を同じ数字として扱わないようにします。 【前提】金額は円。材料・仕掛品・製品は原価で評価。仕損・減損・評価損・税はなく、示した製造費用は当月発生分。
材料の購入と消費 期首材料10,000、当月購入50,000、期末材料15,000なら当月消費は45,000です。購入した50,000全額を直ちに製造へ使ったわけではありません。この例では材料の消費が全て直接材料費になるものとします。
製造費用を集める 当月の直接材料45,000、直接労務30,000、製造間接費25,000なら当月製造費用100,000です。労務費は作業にかかった原価、製造間接費は工場家賃など製品へ直接追跡しにくい製造費用です。販売店の広告費などをこの合計へ混ぜません。
仕掛品を調整する 月初仕掛品20,000は前月までに投入済みで今月へ持ち越した製造原価。当月費用100,000を加えると完成可能な原価120,000になります。月末未完成30,000を残せば、当月製品製造原価は90,000です。式は期首仕掛品+当月製造費用-期末仕掛品です。
完成時に製品へ移す 完成した90,000は仕掛品から製品へ振り替えます。原価を新たに二重発生させるのではなく、製造途中から完成品へ資産の区分を変える処理です。期末仕掛品30,000は翌月の完成へ持ち越します。
製品から売上原価へ 期首製品15,000、当月完成90,000、期末製品25,000なら、販売した原価は80,000です。製品の式も期首+流入-期末ですが、流入は材料購入でなく完成品原価です。製品を売ったとき売上原価という費用へ移ります。
販売管理費との区別 本社経理部門の給料や販売広告費は、ここでの製造原価に含めず販売費及び一般管理費として扱います。売上140,000、売上原価80,000、販管費20,000なら営業利益40,000です。製造原価の集計だけでは営業利益まで求まりません。
流れの検算 各段階で期首+流入=流出+期末が成立します。仕掛品なら20,000+100,000=90,000+30,000、製品なら15,000+90,000=80,000+25,000。数量単位と金額単位を混ぜず、この保存関係で数字の欠落を調べます。
図解
重要ポイント
- 材料→仕掛品→製品→売上原価の順に移る。
- 当月製造費用と当月完成原価は異なり得る。
- 各在庫で期首+流入-期末=流出。
間違えやすい点
- 材料購入額を消費額と同じにしない。
- 期末仕掛品と期末製品を取り違えない。
用語解説
- 仕掛品
- 製造途中の製品に集計された原価を表す資産。
- 当月製品製造原価
- 当月に完成し仕掛品から製品へ移った原価。
- 製造間接費
- 特定製品へ直接追跡しにくい製造費用。
関連教材
参考資料
教材データに登録された参考リンクです。リンク先の内容や更新日は提供元でご確認ください。
確認問題の出題・採点や学習履歴の保存にはログインが必要です。