貢献利益(限界利益)の計算演習
弁当店の販売計画を使い、限界利益から利益を計算します。数量を増やす、値引きをする、広告費を増やすという三つの変更が利益へどう影響するか、同じ計算式で比較します。金額は円、税金・在庫変動は考えません。
この単元で学ぶこと
- 計画変更前後の限界利益と営業利益を計算できる
- 値引きで単位限界利益が減る効果を説明できる
- 固定費増加を含む目標販売量を求められる
本文解説
基準計画 弁当売価600円、単位変動費360円、月間販売1,000個、月間固定費180,000円とします。販売した数量と同じだけ作り、売れ残りはありません。販売単価と一個当たり費用は検討範囲内で一定、設備の能力にも余裕があるとします。
基準計画の利益 単位限界利益600-360=240円。売上600,000円、変動費360,000円、限界利益240,000円、営業利益60,000円です。限界利益率は240÷600=40%。固定費を数量で割った180円を単位変動費へ混ぜると、追加販売の効果を正しく追えなくなります。
数量だけを増やす案 値段・費用条件が同じで1,200個へ増やすと、限界利益240×1,200=288,000円、利益108,000円になります。利益増加は48,000円で、追加200個×240円と一致します。売上増加120,000円の全額が利益になるわけではありません。
値引き案 売価を550円へ下げて1,200個を販売すると、単位限界利益は550-360=190円、総額228,000円、利益48,000円です。基準より販売数は増えても利益は12,000円下がります。基準利益60,000円を維持するには(180,000+60,000)÷190=1,263.157…個、整数では1,264個以上が必要です。
広告案 値下げせず、広告費30,000円を追加して1,200個販売するなら固定費は210,000円。利益は288,000-210,000=78,000円で、基準より18,000円増えます。追加限界利益48,000円と追加固定費30,000円を比べても同じ増加額が得られます。広告費を既存固定費に加え忘れないようにします。
損益分岐点と余裕 基準計画の損益分岐点は180,000÷240=750個、売上450,000円です。1,000個計画は損益分岐点より250個上なので安全余裕率は(1,000-750)÷1,000=25%。分母は損益分岐点750ではなく現在の計画販売量1,000です。
目標利益と仕訳の関係 目標利益120,000円なら必要限界利益300,000円、必要量1,250個です。これらは管理上の計画計算で、計画を立てただけでは仕訳しません。実際に販売や費用発生が起きたときに帳簿へ記録します。教材名に仕訳とあっても、限界利益の計算自体を架空の会計取引にしないことが大切です。
判断の限界 実際の値引きが何個の販売増を生むかは、この式からは分かりません。販売予測を別に見積もり、厨房能力や品質にも照らします。変動費が数量に応じて値上がりしたり、追加設備で固定費が変化する場合は、その条件で再計算します。
図解
重要ポイント
- 基準利益60,000円、数量増案108,000円。
- 値引き案48,000円で数量が増えても減益。
- 広告案は固定費増加を控除し利益78,000円。
- 損益分岐750個、安全余裕25%。
間違えやすい点
- 販売数が増えれば必ず増益と考えない。
- 値引き後も単位限界利益240円を使わない。
- 計画計算だけで会計仕訳を作らない。
用語解説
- 安全余裕率
- 現在・計画売上が損益分岐点をどれだけ上回るかを、現在・計画売上に対する割合で示す指標。
- 追加限界利益
- 計画変更により増える限界利益の金額。
- 目標利益
- 販売計画で達成したい利益額。
関連教材
参考資料
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