短期利益計画の計算演習
価格上昇と数量減少が同時に起きる予算実績を分析します。売上差異を一貫した方式で分け、費用変化を加えて営業利益の差まで照合します。
この単元で学ぶこと
- 価格上昇と数量減の差異を符号付きで計算する
- 売上差異から利益差異へ費用変化を接続する
- 必要数量から利益回復策を検証する
本文解説
予算と実績を並べる 予算価格800円・数量150個、変動費500円/個、固定費30,000円なら売上120,000、変動費75,000、利益15,000です。実績価格850円・数量140個、変動費520円/個、固定費32,000円なら売上119,000、変動費72,800、利益14,200です。
数量差異は減収 売上差異は実績-予算と定義します。数量差異を(実数量-予算数量)×予算価格で求めると、(140-150)×800=-8,000円です。予算価格のまま実数量140個にした中間売上112,000円と予算120,000円の差です。
価格差異は増収 価格差異=(実価格-予算価格)×実数量なので(850-800)×140=7,000円です。数量差異-8,000と合計して-1,000、実績売上119,000-予算120,000と一致します。単価が上がっただけで全体増収と断定できません。
変動費の総額差 実績変動費72,800-予算75,000=-2,200円です。単位費用は500→520へ上がっていても数量減少により総額は減っています。総額低下を単位原価の改善と呼ばず、数量と単位額の両方を確認します。ここでは標準原価計算の差異分析を必須として導入しません。
営業利益差を照合 売上差-1,000-変動費差(-2,200)-固定費差2,000=利益差-800円です。費用差が負なら費用が減ったので利益へはプラスの効果です。実績14,200-予算15,000=-800でも一致します。符号付きの式を書いてから計算します。
実績条件で次期計画 実績の売価850・単位変動費520なら単位限界利益330円です。固定費32,000を維持して利益20,000を目指すには52,000÷330=157.575…個、整数で最低158個。利益は158×330-32,000=20,140円になります。
代替案を比較 価格800円へ戻して160個売れる案を考え、単位変動費520・固定費32,000は共通とします。単位限界利益280円なので利益12,800円です。850円・140個の利益14,200より1,400少なく、数量増だけで利益改善と結論できません。
計画と原因調査 数量減が値上げの影響か、市場需要の変化か、供給制約かを別途調べます。計算が示すのは予算と実績の数値差であり原因そのものではありません。次期見込数量に根拠を持たせ、損益計算を更新して判断します。
図解
重要ポイント
- 費用差の負数は利益への増加効果
- 単位原価上昇と総費用減少は両立する
- 売上差異の方式を揃えて合計を検算
間違えやすい点
- 値上げなら増収と決めつけない
- 利益比較では価格・数量・費用を一組にする
用語解説
- 符号付き差異
- 実績-予算等の一定の向きで増減を表す値。
- 費用減少効果
- 費用の減少が利益を押し上げる効果。
- 計画前提
- 予測販売量・価格・費用等、計画計算の根拠となる条件。
関連教材
参考資料
教材データに登録された参考リンクです。リンク先の内容や更新日は提供元でご確認ください。
確認問題の出題・採点や学習履歴の保存にはログインが必要です。