原価改善の計算演習
改善案の差額を数量条件ごとに評価し、実績で得られた削減を検証します。品質を保った材料節約、数量増による固定費単価低下、購入時期の変更を区別します。
この単元で学ぶこと
- 改善案が有利になる販売量を求める
- 数量変化と単位改善を分ける
- 改善後の実績利益を予測と照合する
本文解説
比較案を設定する 旧案は売価1,000・単位変動費650・固定費40,000、新案は売価1,000・単位変動費600・固定費48,000とします。同じ品質・数量で、新案は1個50円節約する代わりに固定費8,000円増です。変化する二要因を一つの差額式にします。
増分利益の式 数量Qなら新案-旧案の利益差は50Q-8,000です。160個でゼロ、200個で2,000増、100個では3,000減です。新案が有利になる境界160個は二案比較の境界であり、新案そのもののゼロ利益量48,000÷400=120個とは別です。
整数で有利になる条件 『新案の利益が旧案以上』なら160個でよい一方、『旧案より多い』なら整数で最低161個です。161個の差は50円。等号を含むかで最小数量が変わるため、設問の『以上』『超える』を数式に直します。
両案を直接計算 200個なら旧利益200×350-40,000=30,000、新利益200×400-48,000=32,000です。差2,000は50×200-8,000と一致します。増分式だけでなく総額でも確認すると固定費の加算漏れを見つけられます。
材料使用量の改善を比較 100良品に材料125kgから115kg、単価400円/kgなら同じ数量で4,000円の削減です。実際には120良品作り138kg消費した場合、1個当たりは138÷120=1.15kgで改善後の水準を達成しています。総消費138kgが旧125kgより多くても効率悪化とは限りません。
同数量へ換算して検証 旧使用率1.25kgで120良品を作れば150kg、新実績138kgとの差12kg×400=4,800円が同じ良品数量での節約です。旧100個総費用50,000と実120個55,200の差5,200増は数量増も含むため、改善効果の値としては使いません。
固定費単価低下の読み方 固定費60,000円が一定で100個から120個へ増えると単位固定費600→500円です。単位額は100円下がりますが固定費総額の節約はゼロです。総利益が変わるなら販売増の限界利益等を計算し、単位固定費差を別の節約として重複加算しません。
期間と現金を分ける 同じ消費量のまま材料購入を翌月へ遅らせても、当月の消費原価は同額です。支払時期や在庫保有は変わり得ますが、製造消費の改善とは別です。原価改善の報告では品質、良品数量、使用量、単価、追加固定費を並べ、どの条件が変わった効果かを示します。
図解
重要ポイント
- 利益差=(単位原価節約×数量)-追加固定費
- 同じ良品数量へ換算して使用効率を比べる
- 単位固定費低下と総額節約は別
間違えやすい点
- 案の利益交差点と事業の分岐点を混同しない
- 総費用増だけで効率悪化と断定しない
用語解説
- 比較境界数量
- 二案の利益が等しくなる数量。
- 数量をそろえた比較
- 同一良品数量へ換算して資源使用の効率を比較すること。
- 固定費の単位負担
- 固定費総額を数量で割った1個当たりの額。
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参考資料
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