原価改善を理解する

原価改善は、品質や必要な機能を保ちながら資源消費を減らす取組です。単価の値下げだけでなく使用量の削減や追加設備費を含め、期間利益への効果を比較します。

この単元で学ぶこと

  • 使用量と価格を分けて改善額を計算する
  • 改善の追加固定費を差し引く
  • 単位改善と総利益改善を区別する

本文解説

基準をそろえる 改善前後は同じ良品数量・品質・期間で比較します。100個の良品製造に材料120kg、改善後110kgが必要で材料単価200円/kgが不変なら、材料費は24,000→22,000円で2,000円減ります。生産数量が減っただけの総費用減少を使用効率の改善とは呼びません。

1個当たりの使用量 材料使用は良品1個当たり1.2kg→1.1kgです。単位材料費240→220円で20円改善。100個なら20×100=2,000円です。材料単価200円/kgは変化していないので、仕入先からの値引き効果ではなく使用量削減の効果と説明します。

購入と消費を分ける 今月150kg購入して110kg消費したなら、購入支出30,000円と消費原価22,000円は異なります。期首材料なし・未払いなしなら未消費40kgの原価8,000円が材料在庫に残ります。購入を減らすだけで同じ月の製造消費が減ったと結論しないようにします。

追加の管理費を含める 使用量削減により材料費2,000円を減らせても、当月の追加点検費1,500円が必要なら当月利益増は500円です。当月製造分を全量販売し、期首期末の仕掛品・製品在庫なし、他の費用・売上不変として、削減2,000-追加1,500で比較します。改善に必要な費用を無視しません。

作業時間と費用の条件 100個の作業時間が50→40時間へ短縮し、契約上の時間比例外注費が1,000円/時間なら費用は10,000円減ります。一方、期間の支払額が一定の固定給で残業等もない場合、同じ時間短縮だけでは当月給与総額は減りません。空いた能力を何に使うかと費用削減を区別します。

限界利益への接続 売価500円、単位変動費300円、固定費10,000円、100個販売なら利益10,000円です。品質と売価・数量を保ち単位変動費を280円へ下げると利益12,000円となり2,000円増。改善後の限界利益率は220÷500=44%です。

固定費が増える改善 単位変動費20円の削減に追加固定費3,000円が必要なら、100個では削減2,000-追加3,000=利益1,000円減です。150個で増分利益ゼロ、200個なら1,000円増。改善施策が有利になる数量と、事業全体の損益分岐点を区別します。

品質を条件にする 原材料を安くしても不良や再作業、返品が増えれば費用削減を打ち消すことがあります。ここでは同じ良品数量・品質を保つ比較を基本とし、不良発生率等の複雑な原価計算は導入しません。現場資料で使用量・品質・追加費用を確認して効果を評価します。

図解

使用量削減から利益効果へ
100良品を当月全量販売、期首期末仕掛品・製品在庫なし。品質不変・200円/kg。

重要ポイント

  • 同じ良品数量で単位使用量を比較する
  • 増分利益=原価削減額-追加費用
  • 時間短縮が費用減になるかは費用契約による

間違えやすい点

  • 購入支出と消費原価を混同しない
  • 固定給の時間短縮を即時の現金節約と断定しない

用語解説

原価改善
機能や品質等を考慮しながら資源消費や費用を減らす取組。
使用効率
一定の良品を得るために必要な資源量の関係。
増分比較
施策の前後で変わる収益・費用を比較する方法。

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参考資料

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