原価とは何かの計算演習

製品とサービスの小さな資料から、集計範囲と単位を揃えて原価と利益を計算します。支払額だけの比較や総額と単位額の混同を、逆算と照合で見つけます。

この単元で学ぶこと

  • 資源別の原価を合計し単位原価を求める
  • 未使用資源と消費原価を分ける
  • 対象数量を揃えて利益と原価増減を分析する

本文解説

製品一組の資源表 同じ製品を20個完成させ、材料6,000円、作業4,000円、設備使用2,000円を消費したとします。未完成品はありません。合計は12,000円、1個当たり600円です。各費用がこの20個へ対応することを確かめてから合計し、最後に完成数量で割ります。

サービス単位の計算 同一内容の清掃10件に洗剤2,000円、作業15,000円、作業用機器3,000円を使えば、サービス原価は20,000円、1件2,000円です。1件3,000円で10件すべてを提供し、別に販管費4,000円があるなら営業利益は30,000-20,000-4,000=6,000円です。

購入量と消費量の照合 期首材料2kg、当期購入8kg、期末材料3kgなら消費量は2+8-3=7kgです。全量の評価単価が500円/kgで同じなら消費原価3,500円。購入額4,000円と一致しないのは、期首の材料も使い、期末に残りもあるためです。価格の違いがある場合の評価方法は別途条件が必要になります。

原価から数量を逆算する 総原価18,000円が同一完成品30個へ対応するなら単位原価600円です。逆に単位原価600円、対象総額18,000円が分かれば数量は30個です。単位原価が同じといえる条件のない異なる製品を、ただ総数量で割って一律に評価しないようにします。

販売した分だけと対応する 完成品50個の製造原価が20,000円で、同一単位原価、期首製品なし、40個を販売したなら単位原価400円、売上原価16,000円、残った10個の製品原価4,000円です。製造した原価総額と当期に販売した分の原価を区別することで、利益と在庫を同時に説明できます。

製品ごとの採算を比べる Aは売上30,000円・対応原価18,000円、Bは売上24,000円・対応原価10,000円とします。差額はA12,000円、B14,000円です。売上が大きいAの差額が必ず大きいとは限りません。共通販管費が別にあれば、その差額だけを会社全体の営業利益とは呼ばず、後で対応額を控除します。

総額と単位額の変化 前月は100個で原価30,000円、当月は150個で42,000円なら、総額は12,000円増えても単位原価は300円から280円へ20円下がっています。比較する目的によって必要な指標が違います。この資料だけで品質低下や無駄の発生を断定せず、数量が変わったことを併記します。

比較条件を揃える 原価改善を確認するときは、同じサービス内容か、含む費用が同じか、期間が一致するかを確認します。運送料を一方だけ除いた比較では、原価の差が効率の差とはいえません。単価×数量、期首+取得-期末、売上-対応原価という別の式でも確かめ、計算の結果と判断の根拠を分けて説明します。

図解

20個の単位原価
同じ20個のために使った資源を集めてから割る。

重要ポイント

  • 総額と単位額を別々に計算する。
  • 購入量に期首と期末の増減を加える。
  • 完成した分と販売した分を対応させる。
  • 売上の大きさだけで採算を判断しない。

間違えやすい点

  • 異種製品を根拠なく一律単価にしない。
  • 数量増による原価総額増を直ちに非効率としない。
  • 共通費控除前の差額を営業利益と呼ばない。

用語解説

対応原価
対象とする収益・数量へ結び付けて比較する原価。
消費量
期首と購入を合わせた利用可能量から期末に残る量を差し引いた量。
比較条件
対象期間、数量、内容、含める費用など、比較の前提となる条件。

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参考資料

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