借入・貸付の全体像

金銭を借りる側と貸す側では、同じ契約を反対の立場から記録します。元本・利息・入出金を図で分け、借入と貸付の全体像をつかみます。

この単元で学ぶこと

  • 自店が借り手か貸し手かを判定する
  • 元本を資産または負債として記録する
  • 利息を期間の費用または収益として区別する

本文解説

誰の帳簿か A店がB店から現金30,000を借りた取引を考えます。A店の帳簿では返す義務が借入金、B店の帳簿では返してもらう権利が貸付金です。取引文に貸す・借りるの両方の語があっても、自店を主語にして読みます。 【前提】個人事業、金額は円。元入・私用引出は資本金勘定で直接処理する。商品売買は三分法。消費税と利息は額や計算条件を示す場合以外は考慮しない。仕訳は借方/貸方の順。

元本と利息 30,000は貸し借りした金銭そのものの元本です。利用期間などに応じて別に支払う対価が利息です。元本と利息は同じ入出金で決済されることがあっても、元本は債権債務、利息は収益費用へ分けます。

借入時の両面 A店は「現金30,000/借入金30,000」。財産30,000と負債30,000が増えるので、借入で利益は増えません。現金を得たことだけを見て売上や資本金に置くと、返済義務が帳簿から漏れます。

貸付時の両面 B店は「貸付金30,000/現金30,000」。手元の現金が返還を求める権利へ変わります。貸付元本は事業の費用ではなく資産の移動です。相手の返済能力などの評価はここで扱わず、指定された通常の金銭貸付を記録します。

元本を返す A店が元本30,000を現金返済すると「借入金30,000/現金30,000」。B店は「現金30,000/貸付金30,000」です。双方とも既存の義務または権利が消え、元本返済だけによる収益費用は生じません。

利息も払う 元本30,000と利息600を同時に払うならA店は「借入金30,000・支払利息600/現金30,600」。B店は「現金30,600/貸付金30,000・受取利息600」です。利息の扱いは当事者ごとの損益で反対になります。

一部だけ返す 元本30,000のうち10,000のみ返す場合、借入金と貸付金から減らすのは10,000です。どちらの帳簿にも未返済元本20,000が残ります。振込額に利息が含まれる場合は、その利息を先に分けて元本減少額を求めます。

管理に必要な情報 相手、元本、返済日、利率、利息の計算期間を別々に記録します。帳簿の借入金合計だけでは返済期日や相手は決まりません。契約の条件と元帳残高を照合し、利益と資金繰りを別に確認します。

図解

同じ30,000を両者の帳簿で見る
別々の主体の仕訳を一つの帳簿へ混ぜない。

重要ポイント

  • 借り手は借入金、貸し手は貸付金。
  • 元本の受払は原則として収益費用ではない。
  • 利息は借り手の費用・貸し手の収益。

間違えやすい点

  • 相手側の科目を自店の帳簿へ持ち込まない。
  • 元利合計をすべて元本の減少にしない。

用語解説

借入金
金銭を借りたことによる元本返済義務。
貸付金
金銭を貸したことによる元本返還請求権。
利息
金銭を一定期間利用することに対する対価。

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参考資料

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