売上原価の仕訳・計算演習
純仕入の集計、決算整理、利益への影響を一続きで解きます。誤った期末棚卸額が当期と翌期にどう伝わるかも、式から確かめます。
この単元で学ぶこと
- 返品と購入付随費用を含めて計算する
- 売上原価と粗利益の逆算を行う
- 期末棚卸誤りの利益影響を説明する
本文解説
演習資料 期首商品24,000、当期商品購入160,000、購入時の引取運賃6,000、当期仕入返品10,000、期末商品30,000、売上高220,000です。返品額は商品代金部分で、引取運賃の返還はありません。まず純仕入を求め、次に在庫を調整します。 【前提】金額は円。三分法、仕入勘定で売上原価を計算する。商品評価損・棚卸減耗・消費税はなく、期首・期末商品は取得原価で示す。
純仕入から原価へ 純仕入は160,000+6,000-10,000=156,000。販売可能原価は24,000+156,000=180,000です。期末30,000を除き、売上原価150,000。売上総利益は220,000-150,000=70,000です。
整理仕訳と残高 「仕入24,000/繰越商品24,000」と「繰越商品30,000/仕入30,000」を記録します。整理前の仕入借方残高156,000に24,000を足し30,000を引くと150,000。整理後の繰越商品残高30,000と合わせると販売可能原価180,000に戻ります。
原価率と利益率 売上高200,000、売上原価150,000なら原価率75%、売上総利益率25%です。どちらも売上高を分母にします。原価150,000に対する利益50,000の比率33.3%は、売上高に対する利益率とは別の指標です。
逆算する 期首20,000、純仕入100,000、売上原価90,000なら、期末商品は20,000+100,000-90,000=30,000です。売上高150,000、売上総利益率40%なら利益60,000、売上原価90,000という順でも求められます。
期末商品を過大に数えたら 正しい期末30,000を誤って38,000とすると、売上原価は8,000過小、利益は8,000過大になります。式の最後で差し引く期末商品が大きすぎるためです。資産も8,000過大になり、借貸が合うだけではこの誤りを発見できません。
翌期への波及 誤った期末38,000を訂正せず翌期期首へ持ち越し、翌期期末は正しく数えた場合、翌期は期首が8,000過大となり売上原価8,000過大、利益8,000過小です。二期間では相殺し得ても、それぞれの期の業績表示が誤るので放置してよい理由にはなりません。
総合演習の解答 期首12,000、純仕入88,000、期末20,000、売上125,000なら原価80,000、利益45,000、利益率36%です。期末の20,000を売価の25,000に置き換える誤りでは原価75,000、利益50,000となります。棚卸数量だけでなく単価の基準も確認します。
図解
重要ポイント
- 計算順は純仕入→販売可能原価→売上原価→売上総利益。
- 利益率の分母は定義を確認する。
- 期末過大は当期原価過小・当期利益過大。
間違えやすい点
- 返品と運賃の符号を逆にしない。
- 翌期への波及は期首・期末を区別する。
用語解説
- 純仕入高
- 仕入から返品などを控除し購入付随費用を含めた仕入額。
- 売上総利益率
- 売上総利益÷売上高で求める比率。
- 棚卸
- 商品の数量や評価額を調べ、期末残高を確定する手続。
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参考資料
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