現金取引の仕訳・計算演習
小さな店舗の一日の現金出納を、仕訳から残高まで通して解きます。全問で金額は円、消費税は考慮せず、商品売買は三分法とします。複数の勘定が登場しても、現金が動いた理由を一つずつ読み分ければ処理できます。
この単元で学ぶこと
- 連続した現金取引を仕訳できる
- 元本と利息を分けた複合仕訳を作れる
- 現金残高と当日損益を別々に集計できる
本文解説
事例の取引一覧 開店時現金は20,000円です。当日、①現金売上12,000円、②過去の売掛金回収5,000円、③現金借入10,000円、④家賃支払4,000円、⑤備品購入8,000円、⑥借入元本3,000円と利息100円の返済、⑦普通預金への預入6,000円がありました。全て現金で行い、備品は資産計上する前提です。
入金三件を区別する ①は「現金12,000/売上12,000」、②は「現金5,000/売掛金5,000」、③は「現金10,000/借入金10,000」です。現金借方の合計は27,000円ですが、売上は12,000円だけです。回収は既存債権の現金化、借入は返済義務の発生なので収益にしません。
費用と資産購入 ④は「支払家賃4,000/現金4,000」、⑤は「備品8,000/現金8,000」です。どちらも現金は減りますが、家賃は費用、備品は資産です。備品購入時に現金が減ることと、購入額の全てを当日費用にすることは別です。この演習では減価償却はまだ計上しません。
複合仕訳の組立て ⑥は元本と利息を分け、「借入金3,000、支払利息100/現金3,100」とします。借方合計3,100円と貸方3,100円が一致します。⑦は「普通預金6,000/現金6,000」で、資産間の移動です。預金へ移しても会社全体のお金がなくなったわけではありません。
残高検算 出金合計は4,000+8,000+3,100+6,000=21,100円。閉店時現金は20,000+27,000-21,100=25,900円です。実際の現金を数えて一致を確認します。一致しなければ、金額の転記、二重記録、未記録を調べます。差額があるという理由だけで根拠なく売上へ加算しません。
損益の検算 当日の利益は売上12,000-家賃4,000-利息100=7,900円です。現金純増は5,900円で利益と2,000円違います。借入・回収・資産購入・預入・元本返済が現金と損益へ違う影響を与えるためです。現金が増えた額をそのまま利益とする計算はできません。
誤りの直し方 ②を誤って「現金5,000/売上5,000」と記録したとします。正しい仕訳との差分は「売上5,000/売掛金5,000」。誤った売上を取り消し、未消去だった売掛金を減らします。現金の記録は正しいので訂正で現金をさらに動かしません。訂正の条件がある問題では、その指示に従って修正します。
自力演習 前残9,000円、現金売上4,000円、買掛金の現金支払2,000円、電気代1,000円だけなら残高10,000円、利益3,000円です。買掛金支払は負債の減少で、支払時点に再び仕入費用を計上しません。支払にも元の取引とのつながりがあることを確かめましょう。
図解
重要ポイント
- 入金27,000円と売上12,000円を区別。
- 出金21,100円に元本・利息両方を含める。
- 残高25,900円、当日利益7,900円。
- 訂正は誤記と正記の差を考える。
間違えやすい点
- 売掛金回収を二度目の売上にしない。
- 備品購入と費用支払を同じ扱いにしない。
- 訂正時に正しかった現金まで二重処理しない。
用語解説
- 現金出納
- 現金の入金・出金と残高の記録。
- 複合仕訳
- 借方または貸方に複数の科目がある仕訳。
- 買掛金
- 商品等の仕入代金を後で払う義務。
関連教材
参考資料
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