減価償却の仕訳・計算演習
減価償却の計算を、取得原価の確定、月割り、決算整理、翌期の累計額という順で演習します。全問の金額は円、定額法、間接法、月割計算とし、特記がない限り残存価額はゼロです。
この単元で学ぶこと
- 付随費用を含む取得原価から月割額を求められる
- 複数資産の償却費を別々に計算できる
- 翌期の費用と累計額を区別して更新できる
本文解説
共通事例 会計期間は4月1日~翌年3月31日。7月1日に備品を購入し使用開始しました。購入代価460,000円、運送・設置費20,000円、耐用年数4年、残存0円。使用開始までの付随費用を含む取得原価は480,000円です。償却計算の最初に取得原価を確定します。
年額から月額へ 年間減価償却費は480,000÷4=120,000円、月額は120,000÷12=10,000円です。使用期間は7~3月の9か月なので当期費用90,000円です。会計年度は12月で終わらないため、7~12月の6か月だけで計算しないようにします。
決算整理仕訳 当期末の仕訳は「減価償却費90,000/備品減価償却累計額90,000」。期末の備品勘定は480,000円、累計額90,000円、帳簿価額390,000円となります。購入代金の支払仕訳と決算の償却仕訳は別なので、ここで現金をもう一度減らしません。
翌年度へ進む 次年度は一年間使用したため当期費用120,000円です。累計額は前期90,000+当期120,000=210,000円、帳簿価額は480,000-210,000=270,000円。翌年度損益計算書の費用へ累計額210,000円を載せると、前年度の費用を二重に負担させます。
複数資産を合算する前に 別の備品Bを10月1日に使用開始し、取得原価300,000円、耐用5年なら、年額60,000円×6/12=30,000円です。初年度のA90,000と同じ決算にBも存在するなら償却費合計120,000円。耐用年数や使用月数が違う資産を先に足して一括償却してはいけません。
残存価額が指定された例 取得原価550,000円、残存価額50,000円、耐用5年、当期6か月なら、年額(550,000-50,000)÷5=100,000円、当期50,000円です。残存価額は償却対象から先に引き、年額を求めてから月割りします。残存価額そのものを毎年費用にするわけではありません。
期中売却の入口 売却時には売却日までの当期償却を先に計算し、売却時点の帳簿価額と売却代金を比較します。例えば期首帳簿価額180,000円、売却までの償却20,000円なら売却時点160,000円。代金170,000円なら売却益10,000円です。期首帳簿価額のまま比べると売却損10,000円と逆の判断になります。
検算の順序 ①年額×耐用年数が償却対象額と一致するか、②月割りが12か月を超えていないか、③取得原価-累計額=帳簿価額か、④当期費用を累計額へ一度だけ足したかを確認します。減価償却の数値はこの四つの関係で検算できます。
図解
重要ポイント
- 取得480,000円→年額120,000円→9か月90,000円。
- 初年度帳簿価額390,000円、翌年末270,000円。
- 資産ごとに計算してから費用を合算。
- 売却時は売却までの償却を先に計上。
間違えやすい点
- 付随費用20,000円を取得原価から落とさない。
- 暦年と会計年度を混同しない。
- 売却損益に期首帳簿価額をそのまま使わない。
用語解説
- 付随費用
- 資産を取得し使用可能にするための運送・設置費など。
- 月割計算
- 一年分の償却費に使用月数/12を掛ける計算。
- 固定資産売却損益
- 売却代金と売却時点の帳簿価額との差。
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参考資料
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