差額原価収益分析の仕訳・計算演習

関連する原価を抽出し、内製外注、特別注文、追加加工を同じ差額の考え方で解きます。すべての固定費を切り捨てるのではなく、選択により回避できる額を判断します。

この単元で学ぶこと

  • 内製外注と機会原価を統合計算する
  • 最低受注単価を求める
  • 分離点以後の追加加工を判定する

本文解説

内製外注の資料 部品1,000個を内製するには、変動費200円/個、専用固定費50,000円、配賦共通固定費80,000円がかかります。外注単価240円。内製中止で専用固定費は全額回避でき、共通固定費は残ります。 【前提】金額は円。短期の単一期間の意思決定、税・貨幣の時間価値を考慮しない。明記のない品質差・追加投資はない。機会原価は逸失する限界利益で測る。

関連原価を抜き出す 内製で回避可能な費用は200,000+50,000=250,000です。外注なら240,000。共通固定費80,000はどちらにも残るため差額ゼロで、外注が10,000円有利です。全部原価330,000と240,000だけを比べて90,000有利とすると、回避できない80,000まで節減した誤りになります。

専用固定費が一部残る場合 専用固定費50,000のうち回避可能額が20,000に変わると、内製回避費220,000、外注240,000で内製が20,000有利です。費目名でなく契約解約などの条件から回避可能額を選びます。残る30,000も差額ゼロです。

解放した能力を使える場合 前節の条件で、外注により空く能力から別製品の追加限界利益35,000を得られるなら、外注で増える費用20,000を35,000の利益で補い、外注が15,000有利になります。内製側へ機会原価35,000を加える方式でも、同じ差額へ到達します。

最低受注単価 空き能力で特別注文500個を作り、変動費300円/個、注文専用準備費20,000円、機会原価なしなら、差額利益ゼロとなる売上は170,000円。単価は170,000÷500=340円です。通常販売単価や全部原価単価と同じとは限りません。

追加加工の比較 分離点で販売できる製品が100,000円で売れます。追加加工費30,000円をかけると145,000円で売れるなら、増分収益45,000-追加原価30,000=15,000円有利です。分離点までの共通原価は両案に共通なので、配賦額を追加加工判断へ混ぜません。

部門の廃止を考える 部門売上300,000、変動費180,000、回避可能固定費70,000、廃止後も残る共通固定費60,000なら、部門の表示利益は-10,000でも廃止で全社利益は50,000減ります。失う限界利益120,000に対し節減固定費70,000しかないためです。

解答の書き方 「外注が有利」だけでなく「回避できる固定費20,000、別用途利益35,000の条件では15,000有利」と条件を添えます。追加加工も「追加収益-追加原価」を示して計算過程を残します。差額分析は限定された条件下の比較であり、長期設備更新や税効果まで網羅した判断ではありません。

図解

内製外注の条件を一つずつ反映
固定費の回避条件と能力の別用途が判定を変える。

重要ポイント

  • 回避できない配賦共通費は節減額にしない。
  • 解放能力の追加利益を二重計上しない。
  • 追加加工は分離点以後の追加収益と追加費用で比べる。

間違えやすい点

  • 赤字表示の部門を廃止すれば必ず改善するとは限らない。
  • 機会原価を内製にも外注にも二度入れない。

用語解説

回避可能原価
活動を選ばないことで発生を回避できる原価。
分離点
連産品が個別に識別できるようになる点。
増分収益
ある案に変更したことで追加的に生じる収益。

関連教材

参考資料

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