Amazon EBS・EFSとストレージの使い分けの全体像

ストレージは容量だけで選ぶものではありません。アプリがデータをどう読み書きするか、何台から共有するか、障害時に何を残すかを整理し、EBS・EFS・S3等の役割を比較します。

この単元で学ぶこと

  • ブロック・ファイル・オブジェクトの使い方を区別する
  • 共有範囲と可用性の要件を整理する
  • 保存とバックアップの条件を説明する

本文解説

1. データへのアクセス方法 ストレージ選択では、アプリが求める入口を確認します。OSがディスクのように読み書きするブロック、ディレクトリとファイルとして共有するファイル、キーを使ってAPI等で取得するオブジェクトでは扱いが違います。写真という同じ内容でも、アプリの利用方法により適切な保存先は変わります。

2. EBSはブロック EBSボリュームはEC2へ接続して使うブロックストレージです。OSやデータベース用のディスク等に利用します。ボリュームを接続した後、用途に応じてファイルシステムやアプリ側を設定します。EBSの管理単位はディスク相当であり、EFSのような共有ファイルサービスそのものではありません。

3. EFSは共有ファイル EFSはNFSでアクセスするマネージドなファイルストレージです。複数のLinuxクライアントから同じディレクトリやファイルを扱う用途等で検討します。保存容量はファイルの増減に応じて伸縮しますが、どの端末からでも権限なく読み書きできるという意味ではありません。

4. S3はオブジェクト S3はバケット内のオブジェクトをキーで扱う保存先です。画像、バックアップ、データ分析の入力等に使われます。通常のS3オブジェクトAPIを、EBSのブロックデバイスやEFSのNFSと同一のインターフェイスとみなさないことが重要です。接続方法を変換するツールを使う場合も、その制約を確認します。

5. 共有と配置の範囲 EBSボリュームと接続するEC2は同じAZに配置します。一部の対応EBSにはMulti-Attachがありますが、汎用のNFS共有へ自動的に変わる機能ではありません。EFS Regionalは複数AZにデータを保持する方式で、EFS One Zoneとは障害範囲が異なります。名前だけで全方式が複数AZと判断しません。

6. 一時データとの区別 EC2のInstance Storeはホストに付属する一時ストレージで、停止・終了等でデータが失われる特性があります。再生成できる一時結果に使う場合でも、その消失条件をアプリへ反映します。EBSは実行中のEC2の寿命と別に保持できますが、終了時削除設定や明示的な削除は別途考慮します。

7. 冗長化とバックアップ 複数の装置やAZへ保存する仕組みは障害への耐性を高めますが、利用者が誤って消した以前の状態へ戻す機能とは別です。EBSスナップショットやファイルのバックアップ等で復旧点と保持期間を用意します。取得に成功したことに加え、必要な状態へ戻せるかも確認します。

8. 費用と管理条件 EBSは確保する容量・性能等、EFSは保存データや方式等、S3は保存量・要求・クラス等の料金条件を比較します。容量の単価だけで共有方式や復旧要件を捨てないようにします。WindowsのSMB共有が必須ならFSx for Windows File Server等も候補となり、Linux向けNFSのEFSとの互換性を確認します。

図解

アプリが必要な入口から選ぶ
容量が同じでも、アクセス方式や共有の要件は異なります。

重要ポイント

  • アプリのアクセス方法から保存先を選ぶ。
  • EBSの同一AZ接続とEFSの方式を分ける。
  • 冗長化は過去状態へ戻すバックアップと別。

間違えやすい点

  • Multi-Attachを汎用NFSサービスと同一視する。
  • EC2停止だけで残るストレージ費もなくなると思う。

用語解説

ブロックストレージ
ディスク相当の単位でOSやアプリへ提供する保存方式。
NFS
ネットワークを介してファイルを扱うプロトコル。
オブジェクト
キーと内容、メタデータ等で扱う保存単位。
スナップショット
ある時点のデータへ復元するためのバックアップ。

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参考資料

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