科目Aの広い知識と、科目Bの擬似言語・セキュリティを同じ勉強法で進めず、それぞれに合った解き方と復習方法を使って両科目600点以上へつなげるガイド。
運営:資格合格.web 運営/更新日 2026-09-03/読了目安 20分
基本情報技術者試験 攻略ガイド
基本情報技術者試験(FE)が難しく感じられる理由は、覚える範囲が広いからだけではありません。科目Aと科目Bで、求められる頭の使い方がかなり違うからです。
科目Aでは、ネットワーク、データベース、セキュリティ、ハードウェア、ソフトウェア、マネジメント、ストラテジなど、IT全体を広く扱います。一方の科目Bは、20問のうち16問がアルゴリズムとプログラミング、4問が情報セキュリティです。つまり「全部を広く覚える勉強」と「処理を追って判断する勉強」を同じ方法で続けると、どちらかで伸びにくくなります。
このガイドでは、科目Aと科目Bを別々の試験のように分断するのではなく、それぞれに合った練習方法を使いながら、最後は一つの合格ラインへつなげることを目標にします。資格合格.webの教材、問題演習、弱点分析、模擬試験をどの場面で使うかも一緒に整理します。
このページ内のミニケースや擬似コードは、考え方を説明するために資格合格.webが独自に作成したものです。実際の基本情報技術者試験の問題を転載・再現したものではありません。
最初に「科目Aと科目Bは別の戦い方」と理解する
2026年度の現行FEでは、科目Aは90分で60問、科目Bは100分で20問です。合格には、科目Aと科目Bの両方で評価点600点以上が必要です。
ここで大切なのは、「科目Aで高得点を取れば科目Bを補える」という試験ではないことです。逆も同じです。科目Aだけ得意でも、科目Bが基準に届かなければ合格にはなりません。
科目Aと科目Bは別の戦い方で、両方600点を目指す
科目Aは90分60問、科目Bは100分20問で、両方とも評価点600点以上が必要であることを二本の学習レーンとして示す図。
だから学習計画も、最初から二本立てにします。
科目Aは「知らない分野を減らす」ことが中心です。科目Bは「知っていることを使って処理を追えるようにする」ことが中心です。どちらか一方を完全に仕上げてからもう一方へ移るより、初期段階から少しずつ両方に触れた方が、直前期に科目Bだけ残る事故を防ぎやすくなります。
科目Aは、教科書の章順ではなく「解き方」で分ける
科目Aの範囲は広いため、分野一覧を上から順番に読むだけだと、学習量のわりに得点へつながりにくいことがあります。
資格合格.webでは、科目Aの問題を公式の出題分類とは別に、勉強するときの解き方で三つに分けて考えます。
- 知識・比較型 用語、特徴、役割、制度、サービスマネジメント、セキュリティ対策などを、似た概念との違いまで整理する問題。
- 計算・手順型 2進数、性能、データ量、確率、ネットワーク、稼働率など、公式や手順を使って答えを出す問題。
- 状況判断型 問題文の条件を読み、どの考え方・対策・手法が最も合うかを選ぶ問題。
科目Aは『分野』だけでなく『解き方』で三つに分ける
科目Aの問題を知識・比較型、計算・手順型、状況判断型の三つに分け、それぞれ異なる復習方法を示す図。
この分け方をすると、「ネットワークが苦手」のような大きすぎる弱点名から一歩進めます。
たとえばネットワーク分野で間違えていても、原因がサブネット計算なら計算・手順型です。DNSやDHCPの役割が混ざるなら知識・比較型です。ファイアウォールや暗号化方式を状況から選ぶ問題なら状況判断型です。
弱点の原因が違えば、復習方法も変える必要があります。
知識・比較型は「一語一答」で終わらせない
用語を一つだけ覚えると、選択肢に似た言葉が並んだときに崩れます。
例えばデータベースなら、主キー、外部キー、インデックス、正規化をそれぞれ別のカードとして覚えるだけでなく、「何を解決する考え方なのか」を短く言える状態にします。
セキュリティでも同じです。ハッシュ、暗号化、デジタル署名、認証を「全部セキュリティの用語」とまとめるのではなく、目的の違いまで分けます。
問題演習で誤答したときは、正解の説明だけでなく、自分が選んだ誤答ならどんな場面で使うのかまで確認すると、次の二択で迷いにくくなります。
計算・手順型は、答えより途中を残す
計算問題では、正答率だけを見ても原因が分かりません。
「公式を忘れた」「単位をそろえなかった」「代入を間違えた」「最後の四則演算でミスした」では、必要な復習が全部違います。
資格合格.webの計算問題では、公式を最初に置き、値の意味、代入、途中計算、最終結果の順で確認します。自分でも同じ順番で書けるようにすると、数字だけ変わった問題へ対応しやすくなります。
特に2進数やデータ量、伝送時間のような問題は、頭の中だけで処理すると途中で単位を見失いやすくなります。短くても構わないので、式を一度外へ出す習慣をつけます。
科目Bは「コードを全部読む」から卒業する
科目Bで時間を使いすぎる人は、擬似コードを1行目から最後まで同じ重さで読んでいることがあります。
先に見るべきなのは、コードそのものより問題が何を求めているかです。
最初に次を確認します。
- 入力は何か
- 出力として何を求めているか
- 配列やリストなど、中心になるデータ構造は何か
- どの変数が答えに影響するか
- 条件分岐や繰返しがどこで変化するか
そのあとで、必要な変数だけを追います。
科目Bは答えに影響する変数だけを追う
科目Bで設問のゴール、入出力、中心データ、重要変数、更新箇所の順に絞り込み、必要な処理だけを追う方法を示す図。
ミニケース:変数を全部覚えず、答えに必要なものだけ追う
次のような処理を考えます。
values = [4, -2, 7, 0]
total = 0
for each x in values
if x > 0
total = total + x
endif
endfor
この処理で最後の total を求めるなら、すべての情報を記憶する必要はありません。
| x | 条件 x > 0 | total |
|---|---|---|
| 4 | 真 | 4 |
| -2 | 偽 | 4 |
| 7 | 真 | 11 |
| 0 | 偽 | 11 |
見るべきなのは「条件を通ったときだけtotalが変わる」という一点です。
本番の科目Bはもっと長い問題もありますが、考え方は同じです。答えに影響する変数、分岐、更新箇所を絞って追うと、コード全体を暗記する負荷が減ります。
添字は、処理を追う前に確認する
配列問題でよく起こるのが、処理内容は理解しているのに添字を一つずらすミスです。
配列が0から始まるのか、1から始まるのか。ループの終了条件に等号が入るのか。最後の要素を含むのか。この確認を後回しにすると、最後まで正しく追ったつもりでも結果だけずれます。
科目Bでは、問題を読み始めた時点で「添字」「ループ開始」「ループ終了」を小さく確認する方が安全です。
擬似言語をJavaやPythonへ無理に置き換えない
普段プログラミングをしている人ほど、科目Bの擬似言語を自分が慣れている言語へ変換して読もうとすることがあります。考え方を借りるのは問題ありませんが、文法まで同じだと思い込むと危険です。
見るべきなのは「この記号はJavaなら何に相当するか」ではなく、問題文で定義された処理が何をしているかです。代入、比較、繰返し、関数呼出し、配列操作といった基本動作へ分解すれば、特定言語の細かな文法を知らなくても追えます。
逆に、普段使っている言語の仕様を勝手に持ち込まないことも大切です。添字の開始位置、整数除算の扱い、変数の範囲などは、その問題で示された定義を優先します。
再帰は「進む」と「戻る」を分けて書く
再帰処理で混乱しやすいのは、関数が呼ばれている途中と、呼び出しが終わって戻ってくる途中を頭の中で同時に処理しようとするからです。
例えば f(3) から f(2)、f(1) と呼び出しが深くなるなら、まずは呼び出し順だけを書きます。終了条件へ到達したあと、今度は逆向きに戻り値や後続処理を追います。
一枚の表に全部押し込めず、「呼び出し」と「戻り」を二段に分けるだけでも見失いにくくなります。再帰問題で何度も間違える場合は、アルゴリズム全体を復習する前に、この戻り順だけを練習してみてください。
データ構造は名前ではなく「動き」で覚える
スタック、キュー、連結リスト、木構造などは、定義だけ暗記すると科目Aでは答えられても、科目Bで使われた瞬間に止まることがあります。
スタックなら「最後に入れたものから出る」。キューなら「先に入れたものから出る」。ここまでは暗記でも構いません。
次に必要なのは、要素を一つ追加・削除したときに中身がどう変わるかを自分で書けることです。
アルゴリズムの問題では、データ構造そのものを説明させるより、その構造を使った処理を追わせる形になることがあります。用語の意味と、実際に中身がどう動くかをセットにします。
科目Bの情報セキュリティは「登場人物」と「守るもの」から読む
科目Bの20問のうち4問は情報セキュリティ分野です。
セキュリティ問題は、知識問題のように用語だけ探すより、文章の中にある関係を整理すると読みやすくなります。
最初に見るのは次の四つです。
- 誰が関係しているか 利用者、管理者、委託先、攻撃者など。
- 何を守りたいか アカウント、個人情報、システム、ログ、通信など。
- 何が問題になっているか 不正アクセス、漏えい、改ざん、マルウェア、権限の過剰付与など。
- 対策は問題の原因に合っているか 認証強化、アクセス制御、バックアップ、監視、暗号化、教育など。
科目Bのセキュリティは『誰が・何を・何から・どう守る』で読む
科目Bのセキュリティ問題を、関係者、守る対象、問題となる脅威や原因、その原因に合う対策の順で整理する図。
「セキュリティ対策っぽい選択肢」を選ぶのではなく、その対策が、問題文に書かれた原因を実際に減らせるかを確認します。
例えば権限の与えすぎが問題なのに、バックアップの頻度を増やしても根本原因は変わりません。逆にデータ消失への備えを問われているのに、多要素認証だけを選んでも目的がずれます。
科目Aと科目Bでは時間の使い方を変える
科目Aは90分で60問なので、単純平均は1問90秒です。科目Bは100分で20問なので、平均は1問5分です。
ただし、全問題へ平均時間を均等配分する必要はありません。
科目Aでは、見た瞬間に答えられる知識問題と、計算が必要な問題を同じ90秒で処理しようとしない方が楽です。
科目Bでも、短時間で追える問題と、長いコードを慎重に追う問題があります。
資格合格.webでは、問題を次の三状態で扱う考え方をおすすめします。
- 即答できる:迷わず処理する
- 解けば取れそう:計算・トレースに時間を使う
- 今は重い:一度保留し、残り時間を見て戻る
時間は『即答・解けば取れる・今は重い』で振り分ける
科目Aは平均約90秒、科目Bは平均約5分を参考にしつつ、問題を即答、解けば取れる、今は重いの三状態に分けて時間配分する図。
一問で止まり続けると、その一問だけでなく、後ろの取れる問題まで失います。
模擬試験では点数だけでなく、どの問題に何分使ったか、迷った末に正解した問題はどれかも意識してください。正解していても5分以上余計に使った問題は、知識ではなく解き方が弱点かもしれません。
「正解したから理解済み」にしない
基本情報では、消去法や勘で当たることがあります。
特に科目Aは四肢択一なので、二つまで絞れれば正解することもあります。科目Bでも、途中まで追って最後だけ推測して当たる場合があります。
そのため復習では、正誤を二択で見るだけでは足りません。
次のように分けると弱点が見えやすくなります。
- 正解し、理由も説明できた
- 正解したが、二択で迷った
- 正解したが、時間を使いすぎた
- 不正解で、知識が足りなかった
- 不正解で、計算・トレースを間違えた
- 不正解で、問題文の条件を読み落とした
同じ「正解」でも、迷った問題は復習対象です。逆に不正解でも、単純な計算ミスなら教材を一章丸ごと読み直す必要はありません。
公開問題は「答えを覚える教材」ではなく、現在地を測る基準にする
IPAは2026年度の基本情報技術者試験について、実際に出題した問題の一部を公開しています。
公開問題は貴重ですが、数が限られているため、答えを覚えるまで繰り返すだけでは本番対応力を測れなくなります。
最初は普通に解きます。その後は、正解・不正解より次を見ます。
- 科目Aで知らない分野がどれくらい残っているか
- 計算問題で式を立てられるか
- 科目Bで変数の変化を追えるか
- 長い問題文でも条件を拾えるか
- 時間内に処理できるか
資格合格.webの問題演習では、公開問題と同じ文章を覚えるためではなく、別の問題でも同じ知識や判断方法を使えるかを確認します。
弱点は「分野」と「原因」の二段階で見る
弱点分析で「ネットワーク 55%」「アルゴリズム 48%」のような数字だけを見ても、次に何をすればいいか決まらないことがあります。
まず分野を見て、その次に原因を一段掘ります。
例えばアルゴリズムが弱い場合でも、原因はさまざまです。
- 配列の添字でずれる
- ループ条件を読み違える
- 変数更新を追えていない
- スタックやキューの動きが曖昧
- 再帰で戻り先を見失う
- 問題文の目的を読まずコードから読み始めている
ネットワークなら、用語比較なのか、計算なのか、状況判断なのかを分けます。
分野名は復習先を見つけるための入口で、原因は復習方法を決めるための情報です。
模擬試験は「合格点が出たか」だけで終わらせない
模擬試験で一度600点相当を超えると安心したくなりますが、本番で安定して同じ判断ができるかは別です。
見るべきなのは総合結果だけではありません。
科目Aなら、特定分野の取りこぼしが偏っていないか。計算問題だけ極端に遅くないか。
科目Bなら、アルゴリズムとプログラミングでどの種類の処理に時間がかかっているか。情報セキュリティで原因と対策を結び付けられているか。
同じミスが2回、3回と続くなら、それは偶然ではなく修正対象です。
逆に、一度だけ見たことのない用語で失点したからといって、全範囲を最初からやり直す必要はありません。
資格合格.webでは「読む→解く→原因を見つける」を短く回す
基本情報の範囲は広いため、教材をすべて読み終えてから問題演習へ進むと、最初に学んだ内容を忘れやすくなります。
そこで、学習単位を短くします。
- 教材で一つのテーマを理解する
- そのテーマの問題を数問解く
- 間違い方を確認する
- 必要なら教材や比較図へ戻る
- ある程度まとまったら模擬試験で横断確認する
資格合格.webで回すFE学習サイクル
教材、問題演習、弱点分析、復習、模擬試験を循環し、科目Aと科目Bそれぞれの弱点原因に応じて学び直す資格合格.webのFE学習サイクル。
科目Bは特に、この往復が重要です。
擬似コードの説明を読んで「分かった」と感じても、自分で処理を追うと止まる箇所が見つかります。その止まった位置こそ、次に学ぶ場所です。
学習の前半・中盤・直前でやることを変える
前半:広さに慣れる
科目Aの全分野へ一度触れながら、科目Bの簡単な擬似コードも並行して始めます。
この時期は正答率が低くても構いません。知らない分野を発見し、科目Bの記法に慣れることを優先します。
中盤:比較と反復へ寄せる
一度触れた分野をもう一度最初から読むのではなく、問題演習で落としたところを中心に戻ります。
知識・比較型は似た概念を並べる。計算・手順型は途中式を書く。科目Bはトレース表を使う。弱点ごとに練習方法を変えます。
直前:新しいことを増やしすぎない
直前期に知らない用語を見ると不安になりますが、残り時間が少ないほど、既に間違えた問題や時間を使いすぎた問題を優先した方が安定します。
特に確認したいのは、次のような項目です。
- 科目Aで何度も落としている分野
- 計算式は分かるのに単位でミスする問題
- 配列の添字
- ループの開始・終了条件
- 変数更新
- スタック・キューなどのデータ構造
- 科目Bのセキュリティで、原因と対策がずれる問題
- 模試で時間を使いすぎた問題
受験前には現在の実施情報を必ず確認する
FEは通常、CBT方式で年間を通じて随時実施されています。ただし2026年はシステムリプレースに伴う運用変更があり、IPAは2026年12月28日以降の試験実施を一時休止する予定と案内しています。
また、2027年度からは情報処理技術者試験の新制度開始が予定されています。
このガイドは2026年度の現行FEを対象にしています。受験日が先になる場合は、資格情報ページからIPAの最新スケジュール、シラバス、申込案内を確認してください。
このガイドを読み終えたら
科目Aで知らない用語が多いなら、まず学習教材で基礎を埋めます。ただし一章読み終えたら、そこで数問解いてください。
科目Aはある程度取れるのに科目Bで止まるなら、コードを読む量を増やす前に、変数・添字・分岐・ループを紙や表で追う練習へ切り替えます。
問題演習をすでに進めているなら、正答率だけではなく「迷った問題」「時間を使った問題」「同じ原因で間違えた問題」を探します。
模擬試験まで進んでいるなら、一度の合格点より、科目Aと科目Bの両方が安定して基準を超えられる状態を目指します。
基本情報技術者試験は、すべての用語を完璧に暗記した人だけが合格する試験ではありません。広い範囲を整理し、計算では手順を崩さず、科目Bでは処理を追い、分からない問題でも条件から候補を減らす。その積み重ねが、初めて見る問題への対応力になります。