教師あり学習を理解する

過去の例とその正解から、未知の入力の答えを予測する方法が教師あり学習です。教師は人間が画面の前にいるという意味ではなく、学習の目標となるラベルがあることを指します。

この単元で学ぶこと

  • 特徴量とラベルを区別できる
  • 回帰と分類を出力目的から選べる
  • 学習と推論、評価の役割を説明できる

本文解説

入力と正解の対 部屋の面積・駅までの距離から家賃を予測する例では、面積と距離が特徴量、実際の家賃がラベルです。学習データにこうした対を多数用意し、入力と出力の関係をモデルへ学習させます。ラベルは分類の名称だけでなく金額のような数値も含みます。

回帰 家賃や気温のような数量を予測する問題は回帰です。単純な例として予測家賃=面積×2+30という式なら面積20に対して70を出します。単位はここでは任意の例示です。この式の係数をデータに合わせて調整することが学習の一例です。

分類 メールを迷惑・通常に分けるのは二値分類、写真を猫・犬・鳥に分けるのは多クラス分類です。出力クラスを0・1・2と数字で符号化しても、クラス判定という目的は回帰へ変わりません。数字の見た目より出力の意味を読みます。

損失と学習 予測とラベルのずれを数値化したものが損失です。回帰で実値80、予測70なら二乗誤差は100。学習では訓練例の損失を小さくするようパラメータを調整します。ただし訓練損失が小さいことだけでは未知データの性能は分かりません。

学習と推論 学習はラベルを使ってモデルを調整する段階、推論は学習済みモデルへ新しい入力を与えて予測する段階です。家賃をまだ知らない物件に推論する際、正解家賃を入力する必要はありません。正解を特徴として混ぜると実運用を再現しない漏洩になります。

評価 訓練に使わなかったデータで予測とラベルを比較します。分類なら正解率だけでなく見逃し・誤警報の重要度を、回帰なら平均絶対誤差など目的に合う尺度を選びます。少数の例で当たったから全ての地域・季節でも当たるとは限りません。

他の学習との違い 教師なし学習は通常、正解ラベルを用いずデータのまとまりや構造を探します。強化学習は行動の結果として得る報酬を手掛かりに行動方策を学ぶ枠組みです。人が作ったラベルがないという理由だけで、全てを強化学習と呼ぶわけではありません。

データの質 誤ったラベル、偏った収集範囲、予測時点で使えない特徴があると、学習結果も問題を引き継ぎます。同じ事例を何度複製しても未知の地域や状況の情報は増えません。用途に合うデータと評価を用意することが、複雑なモデルを選ぶ前の重要な仕事です。

図解

教師あり学習の流れ
推論時の入力には未知の正解家賃を含めません。

重要ポイント

  • 教師ありは入力とラベルの対から学習。
  • 回帰は数量、分類はカテゴリ。
  • 学習で調整、推論で未知入力を予測。

間違えやすい点

  • 数字ラベルだから回帰とは限らない。
  • 訓練精度だけで汎化を判断しない。
  • 正解や未来情報を入力へ混ぜない。

用語解説

特徴量
予測に用いる入力の属性や数値。
ラベル
学習・評価で正解として扱う目的値。
損失
予測と正解のずれを学習用に数値化した量。
推論
学習済みモデルで新しい入力の出力を求めること。

関連教材

参考資料

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