共通鍵暗号と公開鍵暗号を理解する

暗号化は内容を鍵に基づいて変換し、許可されない相手に読まれにくくする技術です。同じ秘密鍵を共有する共通鍵暗号と、公開鍵・秘密鍵の対を使う公開鍵暗号を、情報の流れで区別します。

この単元で学ぶこと

  • 暗号化・復号・符号化の違いを説明する
  • 受信者向けの暗号化に使う鍵と復号鍵を選ぶ
  • 共通鍵と公開鍵の組合せの目的を説明する
  • 鍵の生成・共有・更新・回復に必要な管理を判断する

本文解説

平文・暗号文・復号 読める元データを平文、暗号化した結果を暗号文と呼びます。適切な鍵で平文へ戻す処理が復号です。Base64のように誰でも同じ規則で戻せる表現変換とは違い、秘密にすべき鍵が内容の保護に重要な役割を持ちます。

共通鍵暗号 暗号化と復号で同じ秘密鍵を使います。AESは代表的なアルゴリズムです。大量の本文を効率よく処理する用途に適しますが、送受信者が鍵を安全に共有する必要があります。暗号文と鍵を同じ無保護の経路で配れば、第三者も読めてしまいます。

公開鍵暗号 公開して配布できる公開鍵と、所有者が秘密にする秘密鍵を対にします。Bだけに読ませる暗号文はBの公開鍵で作り、Bの秘密鍵で復号します。公開鍵から秘密鍵を求めることが現実的に困難であるよう設計された方式を使います。どの公開鍵技術も同じ操作を行うわけではなく、暗号化・署名・鍵合意の用途を区別します。

公開しても持ち主は確認する 公開鍵は他人に知られてよい情報ですが、本人の鍵であることを確かめなければ、攻撃者の鍵へすり替えられる危険があります。鍵を秘密にすることと鍵の真正性を確かめることは別です。証明書等による信頼の確認はこの問題に関係します。

二つを組み合わせる 本文を共通鍵で暗号化し、その共通鍵を公開鍵で安全に配送する構成や、公開鍵技術で共通の秘密を合意する構成があります。本文処理の効率と鍵共有を両立させるのが狙いです。共通鍵を公開してよいわけではなく、最終的な本文の鍵も保護します。

鍵数を条件から数える n人のすべての組に一つずつ異なる共通鍵を割り当て、自己通信を除き双方向で共用するならn(n−1)/2個です。4人なら6個。各人が公開鍵の対を一つ持つモデルならnペアで、公開鍵n本、秘密鍵n本です。実際の鍵の用途や共有モデルを指定せず人数だけで数を断定しません。

機密性以外の性質 暗号化してあるというだけで改ざんの検知や送信者の確認まで保証されるとは限りません。認証付き暗号、メッセージ認証、デジタル署名などの仕組みを目的に応じて確認します。また暗号化された内容が業務上正しい、真実であるという証明にはなりません。

鍵を最後まで管理する 安全な生成、配送・合意、利用権限、更新、バックアップや回復、廃止までを考えます。秘密鍵や共通鍵を失えば必要なデータを戻せず、漏らせば機密性が損なわれます。保存時と通信時の保護も分けて確認し、暗号だけで全てのアクセス制御を代替しません。

図解

二つの暗号方式で鍵を区別する
鍵配送の構成は一例。実際には鍵合意などを使う方式もあり、暗号化と署名の用途は区別する。

重要ポイント

  • 共通鍵は双方が同じ秘密を持つ。
  • 受信者の公開鍵で暗号化し、受信者の秘密鍵で復号する。
  • 公開鍵の持ち主との対応を確認する。
  • 鍵の保護と回復、暗号化と認可を分けて考える。

間違えやすい点

  • 符号化や圧縮を暗号化と混同しない。
  • すべての公開鍵技術を「秘密鍵で暗号化」の一言で説明しない。
  • 暗号化の設定だけで改ざん検知や業務内容の正しさまで保証しない。

用語解説

平文
暗号化の入力となる、元の内容を持つデータ。
暗号文
暗号化処理によって変換されたデータ。
共通鍵暗号
暗号化と復号で同じ秘密鍵を用いる方式。
公開鍵暗号
公開鍵と秘密鍵の対を使う暗号方式。受信者向けの暗号化では公開鍵で暗号化し対応する秘密鍵で復号する。
ハイブリッド暗号
本文の共通鍵暗号と、鍵配送・合意等の公開鍵技術を組み合わせる構成。

関連教材

参考資料

教材データに登録された参考リンクです。リンク先の内容や更新日は提供元でご確認ください。

確認問題の出題・採点や学習履歴の保存にはログインが必要です。