主記憶・キャッシュ・平均アクセス時間の試験問題への適用
記憶階層の本番問題では、二段キャッシュや「キャッシュ確認後に主記憶へ行く」条件など、場合分けが一段増える。経路ごとの確率と時間を表にしてから期待値を計算する。
この単元で学ぶこと
- 条件付きヒット率の意味と役割を説明できる
- 経路確率の意味と役割を説明できる
- 経路時間の意味と役割を説明できる
- 多段キャッシュの経路確率と経路時間から平均アクセス時間を計算できる
本文解説
L1・L2・主記憶のような多段階では、各経路へ到達する確率を掛け合わせる。L1ミスかつL2ヒットの確率は(1-L1ヒット率)×L2条件付きヒット率となる。
条件付きヒット率 上位キャッシュでミスした参照のうち、次段キャッシュでヒットする割合。 全参照に対する確率へ直すには上位ミス率を掛ける。
経路確率 あるアクセス経路を通る確率を、分岐ごとの確率の積で求める。 多段キャッシュの期待値計算で使う。
経路時間 各経路で実際に費やす総時間。 L1確認、L2確認、主記憶アクセスを累積する条件もある。
期待値合算 各経路の確率×経路時間をすべて足す。 経路確率の合計が1になることを検算する。
改善効果 どの階層のヒット率や時間を改善するかで平均時間への影響が異なる。 到達確率が高い上位階層の小さな改善が大きく効く場合がある。
枝分かれ図を描き、L1ヒット、L1ミス→L2ヒット、L1ミス→L2ミスの3経路に分ける。各経路の確率合計が1になるかを先に確認してから時間を掛ける。
L1ヒット90%、L2条件付きヒット80%なら、L1経路90%、L2経路8%、主記憶経路2%。経路時間が1ns、6ns、86nsなら平均3.1ns。
図解
重要ポイント
- 条件付きヒット率: 上位キャッシュでミスした参照のうち、次段キャッシュでヒットする割合。
- 経路確率: あるアクセス経路を通る確率を、分岐ごとの確率の積で求める。
- 経路時間: 各経路で実際に費やす総時間。
- 期待値合算: 各経路の確率×経路時間をすべて足す。
- 多段階では「条件付き確率×そこへ到達する確率」で全体確率へ直す。
間違えやすい点
- L2ヒット率80%を全参照の80%と誤解しない。
- 主記憶経路の総時間に上位キャッシュ確認時間を含む条件を見落とさない。
- 経路確率の合計が100%にならない式は再確認する。
用語解説
- 条件付きヒット率
- 上位キャッシュでミスした参照のうち、次段キャッシュでヒットする割合。
- 経路確率
- あるアクセス経路を通る確率を、分岐ごとの確率の積で求める。
- 経路時間
- 各経路で実際に費やす総時間。
- 期待値合算
- 各経路の確率×経路時間をすべて足す。
- 改善効果
- どの階層のヒット率や時間を改善するかで平均時間への影響が異なる。
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参考資料
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