NPVの仕訳・計算演習

年別の現金収支を並べて投資案を比較します。割引係数を使う問題、運転資本回収を含む問題、埋没原価を除外する問題を別々に解きます。

この単元で学ぶこと

  • 係数を使ってNPVを計算できる
  • 増分CFに含める項目を区別できる
  • 割引率と時点を変えた影響を説明できる

本文解説

案Aの資料 初期投資90、一年後60、二年後60。割引率10%で係数は一年0.9091、二年0.8264を使用します。問題が係数を指定した場合はその桁数で計算し、独自の丸めを途中で混ぜないようにします。

案Aの解答 一年後PVは60×0.9091=54.546、二年後49.584、合計104.130。NPVは104.130-90=14.130です。二年とも同じ60でも、遅い受取の現在価値は小さくなります。

案Bと比較 同じ二年間で初期100、一年後77、二年後60なら、PV70.0007+49.584=119.5847、NPV19.5847。同条件でどちらか一つしか選べず資金制約がなければBを選びます。初期額が少ないAを常に選ぶわけではありません。

運転資本を加える 設備100に加え開始時運転資本20を投入し、二年後に20全額回収するなら、時点0流出120、二年後に20を流入へ追加します。二年後売却収入10もあれば通常CFに30を加えます。運転資本は償却費ではありません。

埋没原価と機会費用 既に支払済みで取り戻せず採否で変わらない調査費5は、今からの投資判断の増分CFへ含めません。一方、所有建物をこの案に使うため得られなくなる賃貸収入は機会費用として考慮します。実際の追加支払がないから全て無視できるわけではありません。

割引率を上げる 初期100、一年後110なら率10%でNPV0。率25%ならPV88、NPV-12です。初期流出と将来の正の流入だけの通常型投資では、割引率上昇でNPVは低下します。途中に大きな負のCFがある場合へ無条件に一般化しません。

受取時点を区別 一年後121なら率10%でPV110、二年後121ならPV100です。同じ金額でも一年早い受取はこの条件で価値が10高くなります。年度始めに得るCFを年度末と扱うと割引期間がずれます。

判断と帳簿 NPVは計画を評価する管理会計の数値です。設備取得の実行時は実際の取得原価を資産へ記録し、NPVを取得原価へ上乗せしません。計画の精度、将来CFのリスク、比較期間の違いは別途点検が必要です。

図解

増分CFへ入れるか判断
支払科目名だけでなく採否による差を見ます。

重要ポイント

  • 係数指定では時点に合う係数を使用。
  • 運転資本は初期流出と終期回収を両方記録。
  • 埋没原価を除き、機会費用は含める。

間違えやすい点

  • 採否で変わらない支払済額を再度投資へ含めない。
  • 保有資産の機会費用を無視しない。
  • NPVを取得原価へ足さない。

用語解説

割引係数
1/(1+r)^t。将来CFへ掛けて現在価値を求める係数。
埋没原価
既に発生し、今後の選択で変えられない原価。
機会費用
ある案を選ぶことで失う別の機会の利益。

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参考資料

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