S3 Intelligent-TieringとLifecycleのシナリオ判断

階層化が想定どおり動かない事例と、Lifecycle追加で古いデータが対象になる事故を診断します。

この単元で学ぶこと

  • 階層化の動作を具体例で検証する
  • Lifecycleの対象と版の挙動を評価する
  • 取得時間・保持・費用の条件を照合する

本文解説

1. 30日後に移らない小ファイル 64 KBのファイルがIntelligent-TieringのFrequent Accessに残っていても、それだけで故障とはいえません。128 KB未満は自動階層化の対象外です。まずサイズを確認し、アクセス実績だけを原因と決めつけないようにします。

2. 45日読まれない資料 十分なサイズの資料を45日読まない場合、自動階層では30日の基準によりInfrequent Accessを考えます。任意アーカイブを使わず100日読まない場合は90日のArchive Instant Accessが基準です。これは作成日だけでなくアクセスの有無が関係します。

3. 久しぶりの表示 Archive Instant Accessの資料をGetObjectで読むとFrequent Accessへ戻ります。クラス名は変わりません。管理画面でクラスがIntelligent-Tieringのままだから階層も変わっていない、と断定しないでください。

4. 即時表示との衝突 閲覧時にすぐ返す契約がある資料へ任意のArchive Accessを有効にすると、復元待ちが要件に反する可能性があります。自動のArchive Instant Accessと任意のArchive Accessを別に評価します。名前だけで同じ性能と思い込まないことが大切です。

5. 過去のログへの影響 logs/を30日で有効期限にする新ルールは、既に60日経過しているlogs/のデータにも作用します。新しいデータだけで試すのではなく、既存キー・タグ・作成日を一覧化します。対象を誤った場合、ルール追加直後から削除対象を作り得ます。

6. 履歴が増え続ける例 Versioning有効のログで現行版だけにExpirationを設定しても、過去の版が残る場合があります。削除マーカーを確認し、非現行版の保持日数を別に設計します。Object Lockの保護がある版は、安くするために期限前削除することはできません。

7. 適用時刻と料金 条件の日数に達しても、実処理の完了は非同期です。秒単位のジョブ開始条件としてLifecycle完了を無条件に仮定しないでください。クラス移行後すぐ削除する場合は最小保存期間の追加費用も見積もります。

8. 変更後の点検 対象プレフィックスと対象外を両方観測します。新しい版と非現行版、任意アーカイブの復元手順も分けます。アクセスログやInventory等を使って実態を把握し、保存単価の変化だけで業務の取得要件を満たしたと判断しません。

図解

Lifecycle追加前の点検
対象条件が正しくても、履歴と保持を確認しなければ必要なデータ管理は完成しません。

重要ポイント

  • サイズ条件を先に確認してから階層動作を判断する。
  • 新Lifecycleは既存データにも影響する。
  • 非現行版とロック中の版は別に評価する。

間違えやすい点

  • 階層とクラスの名称を同一視する。
  • 日数到達と処理完了を秒単位で同時と考える。
  • 期限前削除の費用やロックを無視する。

用語解説

フィルター
Lifecycleを作用させるオブジェクト群を限定する条件。
非同期処理
条件成立後、別の時点で実際の操作が完了する処理。
Archive Instant Access
Intelligent-Tieringの自動階層で、ミリ秒取得を維持する低頻度向け階層。

関連教材

参考資料

教材データに登録された参考リンクです。リンク先の内容や更新日は提供元でご確認ください。

確認問題の出題・採点や学習履歴の保存にはログインが必要です。