S3ストレージクラス選択のシナリオ判断

画像配信、再生成データ、監査アーカイブの条件を読み、取得性能と総費用を評価します。

この単元で学ぶこと

  • 具体的な取得条件からクラスを絞る
  • AZ障害と再作成の条件を評価する
  • 短期保存と小容量データの費用を検算する

本文解説

1. 配信画像の検討 毎日多数の読取りがある商品画像を、保存単価だけでIAへ移す案を考えます。取得料金や要求料金も合わせる必要があります。Standardとの比較で、月間読取り量を明示して試算します。

2. 再生成できるサムネイル 原本が別にあり、AZ障害時にサムネイルを再生成できるならOne Zone-IAの特徴を比較できます。原本まで一緒に一つのAZへ置けば再作成の前提が失われます。再生成にかかる時間と業務影響も確認します。

3. 低頻度でも即応が必要 古い医療画像を年数回しか読まなくても、利用者は画面ですぐ表示したい場合があります。Glacier系の中ではInstant Retrievalが復元待ちなしの条件に合います。安価という理由だけでDeep Archiveへ移すと表示要件を満たせません。

4. 長期の監査記録 年に一度以下の読取りで取得まで時間を待てる記録なら、アーカイブクラスを比較します。Deep Archiveの180日という最小保存期間や復元時間を含めて計画します。法令上の削除禁止があるならクラス選択とは別に保持も設計します。

5. 10日で消すデータ Standard-IAへ保存して10日で消すと、30日の最小保存期間に関する費用が残り得ます。30日削除できないという意味ではありません。短命なデータでは保存単価が高く見えるクラスでも総費用で有利な場合があります。

6. 64 KBが大量にある Standard-IAへ64 KBを100個置く例では最小課金サイズにより12,800 KB分を基礎に考えます。実データ6,400 KBとは異なります。Intelligent-Tieringでも同サイズは自動階層化されないため、小さいファイルを別途評価します。

7. 突発的に読む資料 普段の頻度が読めない資料はIntelligent-Tieringを候補にします。ただし即時表示が必要なら任意のアーカイブ階層は要件に合うか確認します。自動のArchive Instant Accessと任意のArchive Accessを混同しないことが重要です。

8. 見積もりを確かめる 移行前に代表的な期間の要求数と取得量を集めます。移行料金と早期削除の追加費用を含め、必要な応答時間で実際に取得できることも試します。価格だけでなく復元手順を運用担当者が扱えるかまで確認します。

図解

64 KBを100個保存する例
例は最小保存容量の比較です。料金やメタデータ等の全項目を計算した請求額ではありません。

重要ポイント

  • 候補は頻度だけでなく取得時間からも絞る。
  • 再生成可能性は原本の配置にも依存する。
  • 小さいデータと短期保存は最小課金条件を確認する。

間違えやすい点

  • 年数回の読取りなら必ずDeep Archiveと決める。
  • 30日の最小保存期間を削除不能期間と考える。
  • 64 KBをIAでも64 KB分だけと見積もる。

用語解説

再生成可能データ
残っている原本や処理から再び作れるデータ。
取得要件
必要な時点までに内容を読めることに関する条件。
早期削除
クラスの最小保存期間を満たす前の削除等。

関連教材

参考資料

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