S3 Intelligent-TieringとLifecycleを理解する

アクセス実績で動くIntelligent-Tieringと、日数や対象条件で動くLifecycleを区別します。

この単元で学ぶこと

  • 自動階層化とルール移行を区別する
  • 取得性能とサイズ条件を判断する
  • 有効期限と版保護を設計する

本文解説

1. 判断材料の違い Intelligent-Tieringはオブジェクトのアクセス実績を使って階層を調整します。Lifecycleはプレフィックスやタグ等の対象と日数などの条件で移行や有効期限を管理します。「読まれないので安い階層へ」と「作成後90日で移す」を区別します。

2. 自動の三階層 Intelligent-TieringはFrequent Accessから始まり、連続30日アクセスがないとInfrequent Access、90日ではArchive Instant Accessへ移します。この自動の三階層はミリ秒アクセスを維持し、名称にArchiveがあっても復元待ちを前提にしません。

3. 再び読まれたとき Infrequent AccessやArchive Instant Accessの内容をGetObject等で読むとFrequent Accessへ戻ります。階層は変わってもクラス名はIntelligent-Tieringのままです。すべてのメタデータ参照が同じ効果になるわけではなく、例えばHeadObjectは内容取得と区別されます。

4. 任意アーカイブ Archive AccessとDeep Archive Accessは任意で追加する階層です。利用する場合は非同期の復元を考慮します。自動のArchive Instant Accessと、任意のArchive AccessではInstantという語の有無で取得条件が異なります。

5. 小容量と料金 128 KB未満のオブジェクトは監視・自動階層化の対象外でFrequent Accessに残ります。監視対象のオブジェクトには監視・自動化料金が関係します。大量の小さいファイルが必ず自動で安い階層へ移ると思わず、サイズ分布を調べます。

6. Lifecycleの適用範囲 Lifecycleは対象をプレフィックスやタグ等で絞れます。既存データにも作用するため、logs/に30日で有効期限というルールを追加すれば古いログも対象です。まず対象件数と経過日数を点検します。処理完了が条件成立時刻と一致する保証もありません。

7. 現行版と非現行版 Versioning有効で現行版がデータの場合、Expirationは削除マーカーを追加し現行データを非現行にします。古い版の完全削除にはNoncurrentVersionExpirationを別に設計します。これを知らずにキー一覧だけで保存量が減ったと考えると見積もりを誤ります。

8. 保持要件との整合 Lifecycleで移行・削除するときは最小保存期間の課金も確認します。Object Lockで保護中の版を期限前に完全削除する抜け道にはできません。ルール変更前後で版一覧やInventory等を使い、必要な履歴が残ることを確認します。

図解

二つの時間の読み方
自動階層化の無アクセス日数と、Lifecycleの作成後日数は同じ基準ではありません。

重要ポイント

  • 実アクセスで階層化する方式と日数ルールを区別する。
  • 自動三階層と任意アーカイブでは取得条件が異なる。
  • Lifecycleは既存データと非現行版の扱いも確認する。

間違えやすい点

  • Intelligent-Tieringが全サイズを自動階層化すると考える。
  • Lifecycleは新規データにしか作用しないと思う。
  • 現行版のExpirationで全版が消えると思う。

用語解説

アクセス階層
Intelligent-Tieringクラス内の頻度に応じた保存段階。
Expiration
現行オブジェクトの有効期限に関するLifecycle処理。
NoncurrentVersionExpiration
非現行版を条件に従って完全削除するLifecycle処理。

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参考資料

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