AWS Pricing Calculatorを理解する
新システムの料金はサービス名だけでは決まりません。どの地域で、何台を何時間動かし、どれだけ保存・転送するかを仮定して見積もります。Pricing Calculatorを用い、比較する条件と見積もりに含めた範囲を説明できるようにします。
この単元で学ぶこと
- 費用見積もりの入力条件を具体化できる
- 見積もりと実績・予測・予算を区別できる
- 構成案を同じ利用条件で比較できる
本文解説
設計前の見積もり Pricing Calculatorは、利用予定のAWSサービスや構成・利用量を入力して費用を試算するための道具です。導入前に複数案を比べることができます。表示額は入力した条件の結果であり、入力していないサービスや予想外の利用を含めた請求保証ではありません。
地域と仕様を決める 同じサービス名でもリージョンやインスタンスの種類、OS、購入方式などによって条件が変わります。構成Aが東京、Bが別地域なら、地域要件も含めて違いを説明します。利用可能な機能や料金は変わるため、見積もりを作成した時点と前提を残します。
時間と台数を分ける 1台を24時間動かす場合と、3台を8時間動かす場合は同じ総台時間になることがありますが、実際の性能や可用性は同じではありません。単価をp、台数をn、稼働時間をhとする単純モデルでは費用はp×n×hです。これは料金条件を説明する例で、実サービスの全課金項目を表す式ではありません。
周辺費用を含める EC2の計算費用だけでなく、EBS、バックアップ、ロードバランサー、データ転送など必要な構成を確認します。DBを加えるならDBの方式や保存量も別です。サービス一覧を図にし、各構成要素が見積もりに入っているか対応付けます。
保存と転送の増え方 ログは毎日追加されるので保存量が月初と月末で違うことがあります。また転送は送受信の向きや宛先で扱いが違います。保存容量だけ入力して、リクエストや転送などを無視すると、利用実態より小さな見積もりになる可能性があります。
割引は条件付き 継続利用を約束する方式では、表示される割引率だけでなく期間・適用範囲・使わなくなった場合の負担を確認します。常時動く部分と一時的なピークを分けて比較すると、不要な約束を増やさずに検討できます。容量確保と料金割引も同じ条件とは限りません。
感度を見る 利用量が不確かなら通常時とピーク時など複数条件で試算します。保存量や外部転送が増えたとき、どの項目が費用を押し上げるかを調べます。一つの小さな値だけを採用するより、どの仮定が結果へ影響するかが分かる見積もりになります。
例題:導入後に確かめる 見積もりの前提が1日8時間なのに実際は24時間動かしていれば、差が生じます。導入後はCost Explorerなどの実績と照合し、条件の違いを修正します。予算超過の通知はBudgets、CPUの稼働監視はCloudWatchで行い、見積もり機能へ全目的を求めません。
図解
重要ポイント
- 地域・仕様・台数・時間・保存・転送を前提として記録する。
- 見積もりは入力条件の結果であり確定請求ではない。
- 割引は継続利用条件と合わせて比較する。
- 利用量の幅を試算し導入後の実績と照合する。
間違えやすい点
- EC2料金だけをシステム全体費用としない。
- 別の稼働条件の案をそのまま安いと判断しない。
- 最大割引率だけで長期約束を選ばない。
用語解説
- 費用実績
- 収集された利用量・料金条件に基づく費用。最新分の反映には時間差があり得る。
- 予測
- 過去の傾向などから将来を推定した値。構成変更や急な需要増で外れる可能性がある。
- 予算
- 管理上の目標額や利用量。通知しきい値を設定できるが、それ自体が全課金の上限とはならない。
- コスト配分タグ
- 費用をプロジェクトや部門などへ分類するため、請求分析用に有効化して利用するタグ。
- 見積もり
- 想定した構成、リージョン、利用量、料金条件から計算した費用。将来の請求確約ではない。
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参考資料
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