Amazon CloudWatchによる監視のシナリオ判断

イベント開始後に注文が遅くなりました。平均CPUは低く、アラームも鳴っていません。どの値を集め、どの条件で異常とし、ログや操作記録をどう照合するかを検討します。

この単元で学ぶこと

  • 監視が異常を見逃した理由を指標設定から特定できる
  • 欠測や追加収集の必要性を判断できる
  • 通知からログ・操作・構成の調査へつなげられる

本文解説

平均だけでは見えない状態 Web3台のうち1台だけが過負荷でも、全体平均は低く見える場合があります。まず対象別の値へ分け、短い悪化を長い期間で平均していないか確認します。CPUだけでなく要求数やエラー数、応答時間も同じ時刻で並べます。

業務の失敗を測る CPUが低くてもDB待ちで注文が失敗することがあります。利用者の成功率や処理時間を示す指標を準備し、機器の生存だけでなく業務を観測します。アプリが何を成功と記録するかも確認し、単にHTTP応答が返るだけの検査にしないようにします。

アラームの条件を修正する 一瞬の変化で大量通知が出るなら、評価期間や必要な継続条件を見直します。一方、長い平均で障害を見逃すなら期間や統計が適切か調べます。しきい値を高くして通知を消すだけでは、異常の発見能力を失う場合があります。

ログで内容を追う エラー件数が増えた時間帯のアプリログを確認します。タイムアウトなのか、入力エラーなのか、権限拒否なのかで対処は異なります。ログがCloudWatchへ届いていなければ、対象ファイル、収集設定、権限、送信先を確認します。

メモリ不足の疑い EC2のCPUは低いのに処理が落ちるなら、メモリなどOS内部の情報が必要になることがあります。標準の監視に値がなければ、エージェント等で必要な指標を収集します。設定だけで満足せず、実際に測定値が届くことを確認します。

データが途切れた場合 深夜に指標がなくなっていたら、停止計画と一致するか、エージェントが落ちたかを調べます。欠測を正常扱いにすると障害を隠す場合があり、常に異常扱いにすると予定停止で不要通知になる場合があります。用途に応じた条件を決めます。

変更との照合 障害直前のAPI操作はCloudTrailで、構成の変化はConfigで調べます。指標が上がった時刻と操作時刻が近くても、別の資源であれば直接の原因とは限りません。対象ID、時刻、変更内容をそろえて検証します。

対応の最後まで試す 検証ではアラーム状態だけでなく、担当者が通知を受け、手順書や必要なログへ到達できることを確認します。通知が来ない原因が受信経路なら、CPUしきい値を下げても解決しません。検知・配送・判断を分けて改善します。

図解

遅い注文の調査
平均値、ログ、変更履歴をつなげ、どこで何が起きたかを具体化する。

重要ポイント

  • 全体平均から個別資源の値へ掘り下げる。
  • CPU以外に業務成功・応答時間も考える。
  • 欠測と予定停止を区別する。
  • アラームから担当者まで通知が届くことを試す。

間違えやすい点

  • 通知数を減らすためだけにしきい値を上げない。
  • 時間が近い別資源の操作を原因と断定しない。
  • 収集設定を置いただけで値が届いたと見なさない。

用語解説

メトリクス
CPU使用率や要求数など、時刻とともに記録される数値。単位・集計期間・対象を合わせて読む。
アラーム
メトリクスなどの評価条件に応じて状態が変わり、設定した通知や対応へつなげる仕組み。
管理イベント
AWSリソースの作成や設定変更など、管理面の操作を記録するイベント。
データイベント
S3オブジェクトへの取得・書込みなど、資源内のデータに対する操作を記録するイベント。対象の明示設定を確認する。
構成項目
AWS Configが記録する、対象資源のある時点での属性や関係などの情報。
準拠評価
定めたルールに対象構成が合っているかを判定すること。未設定の要件まで保証するものではない。

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参考資料

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