AWS Backupと災害対策を理解する
AWS Backupで保護対象と保存方針をまとめる方法を学びます。RPO・RTO、別の障害範囲へのコピー、復元テスト、オンプレミスとS3をつなぐStorage Gatewayを区別し、災害時に業務を戻せる条件を整理します。
この単元で学ぶこと
- バックアッププラン・復元点・保管先を説明する
- RPOとRTOを区別して復旧方法を評価する
- 復元検証とハイブリッドストレージの役割を説明する
本文解説
1. 保護方針をまとめる AWS Backupは対応するAWS資源等のバックアップ方針を集約し、実行と監視を自動化するサービスです。資源ごとに手作業のスクリプトを作る負担を減らせます。一方、全サービスの全機能を同条件で扱うわけではありません。資源種別ごとの対応、必要な権限、リージョン等を確認して対象を選びます。
2. プランと対象と復元点 バックアッププランには頻度や保持等の方針を定め、保護する資源を割り当てます。タグ等による対象選択もできますが、タグを付けただけで任意の資源が自動で保護されるわけではなく、選択条件との一致が必要です。バックアップで得たリカバリーポイントは復元に使う情報で、バックアップボールトはそれを管理する保管先です。
3. 保持と権限 障害発見まで時間がかかるなら、直近一つだけでなく必要な世代を残すことを考えます。保持期間、削除権限、暗号化と鍵の利用権限を管理します。保存データの内容が勝手に書き換わらない性質と、権限ある主体による削除を防ぐことは別です。Vault Lock等の保護機能を使う場合も、モードと保持条件を確認します。
4. RPOはどの時点か RPOは障害時にどれだけ前までのデータ損失を許容するかという目標です。障害が10時30分、利用可能な最新の整合した復元点が10時なら、戻せない可能性がある更新の時間幅は30分です。RPO15分の要求なら、この条件では不足します。予定した取得間隔だけでなく、成功した最新の復元点やコピーの遅れを見ます。
5. RTOはいつ再開か RTOは業務を復旧するまでの許容時間の目標です。障害検知後に資源作成、データ復元、接続切替、動作確認を行う時間を考えます。バックアップが頻繁でも、復元と業務確認に長くかかるなら短いRTOは達成できません。高可用性の待機系とバックアップ復元は目的が異なり、必要な復旧時間に合わせて組み合わせます。
6. 障害範囲を分ける 別リージョンや別アカウントへのバックアップコピーは、元の環境と異なる障害・権限の範囲で保護する選択肢です。対応する資源・暗号化・コピー機能や組織設定等の条件を確認します。コピーを設定しただけで切替先のアプリが常時稼働するわけではなく、復元先のネットワークや許可、手順を準備します。
7. 復元を試す バックアップジョブの成功は、業務を再開できることの十分な証明ではありません。対応する資源ではAWS Backupの復元テストを使い、復元の可否や所要時間を定期的に調べられます。必要なデータの読取りや業務の整合性は検証条件を定めます。試験用資源の後片付けと料金も確認し、試験成功だけで全災害のRTOを保証しません。
8. Storage Gatewayとの違い AWS Storage Gatewayはオンプレミス等のアプリとクラウドストレージをつなぐハイブリッド用途です。S3 File GatewayではNFS/SMBで扱うファイルをS3のオブジェクトとして保存し、ローカルキャッシュも使います。既存アプリのバックアップファイルをS3へ置く入口にもなりますが、Gateway設置自体が世代管理・別障害範囲・復元検証を全て完成させるわけではありません。接続の役割と保護方針を分けます。
図解
重要ポイント
- プランの定義、対象の割当て、ジョブ成功を区別する。
- RPOはデータの時点、RTOは再開までの時間。
- コピー・復元・業務確認までを保護方針に含める。
間違えやすい点
- 取得予定の頻度だけで実際のRPO達成を決める。
- Gatewayのキャッシュを別世代のバックアップと考える。
用語解説
- リカバリーポイント
- バックアップから復元するときに用いる時点の情報。
- バックアッププラン
- 取得頻度や保持等の保護方針を定めるもの。
- RPO
- 失ってよいデータの時間幅に関する復旧時点の目標。
- RTO
- 障害から業務復旧までの許容時間の目標。
関連教材
参考資料
教材データに登録された参考リンクです。リンク先の内容や更新日は提供元でご確認ください。
- https://docs.aws.amazon.com/AWSCloudFormation/latest/UserGuide/Welcome.html
- https://docs.aws.amazon.com/AWSCloudFormation/latest/UserGuide/using-cfn-updating-stacks-changesets.html
- https://docs.aws.amazon.com/AWSCloudFormation/latest/UserGuide/using-cfn-stack-drift.html
- https://docs.aws.amazon.com/codebuild/latest/userguide/welcome.html
- https://docs.aws.amazon.com/codepipeline/latest/userguide/welcome.html
- https://docs.aws.amazon.com/xray/latest/devguide/aws-xray.html
- https://docs.aws.amazon.com/xray/latest/devguide/xray-sdk-migration.html
- https://docs.aws.amazon.com/aws-backup/latest/devguide/whatisbackup.html
- https://docs.aws.amazon.com/aws-backup/latest/devguide/restore-testing.html
- https://docs.aws.amazon.com/filegateway/latest/files3/what-is-file-s3.html
- https://docs.aws.amazon.com/filegateway/latest/files3/file-gateway-concepts.html
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