サービス名の丸暗記ではなく、問題文の目的と条件から候補を絞るための判断軸を身につけ、教材・問題演習・弱点分析・模擬試験を一つの学習サイクルにつなげるためのガイド。

運営:資格合格.web 運営/更新日 2026-09-03/読了目安 17分

AWS Cloud Practitioner 攻略ガイド

AWS Certified Cloud Practitioner(CLF-C02)を勉強し始めると、最初に戸惑いやすいのはサービス名の多さです。EC2、S3、RDS、Lambda、CloudWatch、CloudTrail、IAM……。一つずつ説明を読んで覚えたつもりでも、問題になると「どれも見たことがある」状態になり、最後の二択で迷い始めます。

この試験で必要なのは、AWSサービスの名前をどれだけ暗唱できるかではありません。問題文に書かれた目的や条件を拾い、「この状況なら何を選ぶべきか」を判断できることが大切です。このガイドでは、資格合格.webの教材・問題演習・弱点分析・模擬試験をどうつなげればよいかまで含めて、CLF-C02の学習を組み立てます。

このページ内のミニケースは、考え方を説明するために資格合格.webが独自に作成した例です。実際のAWS認定試験問題を転載したものではありません。

まず知っておきたい「深追いしなくていい範囲」

Cloud PractitionerはAWSの基礎認定です。AWS公式の試験ガイドでは、コーディング、クラウドアーキテクチャの設計、トラブルシューティング、実装、負荷・パフォーマンステストなどは対象受験者に求める作業の範囲外とされています。

ここを知らずに学習を始めると、EC2の細かなOS設定や高度なネットワーク設計まで調べ始めてしまい、時間を使いすぎます。もちろん将来AWSを実務で使うなら深い知識は役に立ちますが、CLF-C02対策では「サービスの役割」「AWSの考え方」「どの場面で候補になるか」を先に固める方が効率的です。

逆に、浅く見えても軽視しない方がよいのが、責任共有モデル、AWSのグローバルインフラストラクチャ、セキュリティの基本、料金・請求、サポートです。サービス単体の知識だけでは解けない問題で判断材料になるからです。

リージョンとAZは「場所」だけでなく可用性の考え方で理解する

リージョンとアベイラビリティーゾーン(AZ)は、用語だけ覚えると「リージョンの中にAZがある」で終わってしまいます。試験では、なぜ複数のAZを使うのか、なぜ別リージョンを選ぶのかまで考えられる方が強くなります。

まず、リージョンはAWSがサービスを提供する地理的な地域です。その中に、互いに分離された複数のAZがあります。高可用性を意識する問題では、単一AZだけに依存せず複数AZへまたがる構成が判断材料になります。一方、利用者に近い場所を選びたい、地域要件を考慮したい、別地域へ災害対策を広げたい、といった条件ではリージョンの違いが関係します。

ここで大切なのは「リージョンは大きい、AZは小さい」と暗記することではありません。問題文が可用性を求めているのか、地理的な分離を求めているのかを見ます。

リージョンとAZの関係を問題文の条件で見る

AWSのグローバルインフラストラクチャからリージョン、その中の複数AZへ続く階層と、複数AZは高可用性、別リージョンは地理的分離の判断材料になることを示す図。

  1. AWS グローバルインフラストラクチャ
  2. リージョン
  3. AZ 1
  4. AZ 2
  5. AZ 3
『リージョンの中にAZがある』だけでなく、問題文が可用性を求めているのか、地理的分離を求めているのかで考えます。

サービスを覚える前に、4つの判断軸を持つ

資格合格.webでは、サービス名を見て説明文を思い出すより、問題文を次の4つの軸で見る方法をおすすめします。

  1. 何を実現したいのか 保存したい、計算したい、監視したい、権限を与えたい、コストを下げたい、といった目的を見る。
  2. 誰・何が使うのか ユーザー、EC2、複数サーバー、アプリケーション、管理者など、利用主体を見る。
  3. どこまで自分で管理したいのか サーバー管理を続けるのか、AWS側へ管理を寄せたいのかを見る。
  4. 問題文が強調している条件は何か 高可用性、監査、最小権限、低コスト、運用負荷削減、長期保存などの言葉を見る。

この4つを使うと、「知っているサービスを選ぶ」から「条件に合うサービスを選ぶ」に考え方が変わります。

ミニケース:サーバー管理を減らしたい

「イベントが発生したときだけコードを実行したい。サーバーのプロビジョニングや管理はできるだけ減らしたい」と書かれていたとします。

ここで重要なのは「コードを実行する」だけではありません。「イベント時だけ」「サーバー管理を減らしたい」という条件です。EC2も計算処理には使えますが、この条件ならLambdaが候補に上がります。

サービス名を丸暗記しているとEC2とLambdaを同じ“コンピューティング”として覚えて終わります。問題で使える知識にするには、何が選択条件になるのかまでセットで持つ必要があります。

S3・EBS・EFSは「保存先」ではなく使い方で分ける

ストレージ系はCLF-C02で迷いやすい組み合わせの一つです。最初は次のように分けます。

サービス最初に押さえる判断軸
Amazon S3オブジェクトとしてデータを保存したい
Amazon EBSEC2に接続するブロックストレージが必要
Amazon EFS複数のLinux系EC2などから共有できるファイルストレージが必要

S3・EBS・EFSを使い方から絞る

データ保存の要件から、EC2のディスクならEBS、複数Linux系EC2で共有するファイルならEFS、オブジェクトとして保存するならS3へ分岐する判断フロー。

サービス名から思い出すのではなく、『どう使うのか』を問題文から拾って候補を絞ります。

ここで「S3はストレージ」「EBSもストレージ」とだけ覚えると、問題で区別できません。

たとえば「大量の画像ファイルをオブジェクトとして耐久性高く保存したい」という状況なら、S3を疑います。「EC2インスタンスにディスクのように接続して使いたい」ならEBSです。「複数のEC2から同じファイルシステムを共有したい」ならEFSが候補になります。

問題演習で間違えたときは、正解サービスの説明だけ読むのではなく、自分が選んだサービスなら何が条件として足りなかったのかを確認してください。

IAMは「人」「役割」「許可内容」を分ける

IAMは単語が似ているため、説明を読むだけでは混ざりやすい分野です。

最初は次の3つを分けます。

IAMは『主体・役割・許可内容』を分けて考える

利用主体がIAMユーザーまたはIAMロールを通じ、IAMポリシーで定義された許可に基づいてAWSリソースへアクセスする関係を示す図。

ユーザー・ロール・ポリシーを同じ種類のものとして覚えず、『誰が』『どんな役割で』『何を許可されるか』に分けます。

たとえば「EC2からS3へアクセスさせたい」という問題で、アクセスキーをサーバーへ長期保存する選択肢が出てきたら、そのまま選ぶ前にIAMロールを考えます。試験では、単にアクセスできるかだけでなく、認証情報を安全に扱えるか、最小権限に沿っているかというAWSの考え方が選択肢を分けることがあります。

責任共有モデルと混ぜない

IAMを学んでいると「セキュリティはAWSがやってくれる」と大きくまとめたくなりますが、それでは責任共有モデルの問題で崩れます。

AWSがクラウドそのもののセキュリティを担う部分と、利用者がクラウド内で設定・管理する部分を分けて考えます。どちらか一方が全部担当するわけではありません。

責任共有モデルは『クラウドのセキュリティ』と『クラウド内のセキュリティ』で分ける

AWSがクラウドそのものの物理設備や基盤を担当し、利用者がデータや権限、サービスに応じた設定などクラウド内のセキュリティを担当する責任共有モデルの図。

『セキュリティはAWSが全部担当する』でも『利用者が全部担当する』でもありません。何を使っているかまで見て責任範囲を考えます。

問題文で「誰が責任を持つか」と聞かれたら、サービス名を探す前に、対象が物理インフラなのか、利用者側の設定・データ・権限なのかを確認すると整理しやすくなります。

CloudWatchとCloudTrailは「何を見たいか」で決める

どちらも監視や記録に関係するため、名前だけでは混乱しやすい組み合わせです。

CloudWatchは、メトリクス、ログ、アラームなど、リソースやアプリケーションの状態を観測するときに候補になります。一方、CloudTrailは「誰が、いつ、どのAWS API操作を行ったか」といったアクティビティを追跡するときに候補になります。

CloudWatchとCloudTrailは『何を知りたいか』で分ける

知りたい内容がリソースの状態やメトリクスならCloudWatch、AWS API操作の履歴ならCloudTrailへ分岐する比較図。

『監視系だからCloudWatch』と覚えず、状態を見たいのか、操作履歴を追いたいのかで分けます。

ミニケース:CPU使用率が上がったら通知したい

EC2のCPU使用率が一定値を超えたら通知したい、という話なら、見たいのはリソースのメトリクスです。CloudWatchを考えます。

ミニケース:設定変更を行った主体を確認したい

「あるAWSリソースの設定が変更されている。どのIAM主体がAPI操作を行ったか確認したい」という話なら、操作履歴が焦点です。CloudTrailを考えます。

このように、監視という大分類ではなく、何を観測したいのかまで落とすと二択を減らせます。

料金問題は「安いサービス名」を探さない

料金分野では、「一番安そうなサービス」を雰囲気で選ぶと間違えます。

まず、問題文に次のような条件がないか見ます。

オンデマンド、Savings Plans、Reserved Instances、Spot Instancesなどは、単純な「高い・安い」の順番で覚えるより、どんな利用条件なら選べる料金モデルなのかで整理する方が実戦的です。

また、AWS Budgets、Cost Explorer、AWS Pricing Calculatorなども、名前を覚えるだけでは足りません。

「これから構成を作る前に費用を見積もりたい」のか、「すでに発生しているコストを分析したい」のか、「予算のしきい値を監視したい」のかで候補が変わります。

出題比率は、勉強時間を決めるヒントに使う

CLF-C02の採点対象コンテンツは、次の4分野で構成されています。

分野比率
クラウドのコンセプト24%
セキュリティとコンプライアンス30%
クラウドテクノロジーとサービス34%
請求、料金、サポート12%

比率が12%だから料金分野を捨てる、という使い方はおすすめしません。CLF-C02は補整スコアリングモデルで、各分野ごとに合否ラインがあるのではなく試験全体で合否が決まります。

一方、勉強時間を全分野へ均等に配る必要もありません。

資格合格.webの分野別正答率を確認し、出題比率が高いのに正答率が低い分野から優先して復習すると、次に何をするか決めやすくなります。

たとえば「クラウドテクノロジーとサービス」が弱ければ、サービスを100個読み直すのではなく、間違い履歴から「ストレージ比較」「監視」「コンピューティング」のどこで崩れているかまで絞ります。

問題演習は、点数を測るだけの場所ではない

教材を全部覚えてから問題演習へ進もうとすると、いつまでたっても実戦で使える知識にならないことがあります。

基礎を一通り学んだら、早めに問題へ入って構いません。最初の目的は高得点ではなく、自分がどの条件で迷うのかを見つけることです。

不正解だったときは、次の3点を確認します。

  1. 問題文のどの条件を見落としたか
  2. 自分が選んだ誤答は、どんな状況なら正解になるか
  3. 正解と誤答を分けた決定的な条件は何だったか

正解だけ覚えてしまうと、問題文が少し変わっただけでまた迷います。誤答側の役割まで確認すると、選択肢同士の境界が見えてきます。

正解した問題も「迷ったなら弱点」

正答率だけを見ると、たまたま当たった問題も「理解済み」に見えます。

二択まで絞ったあと勘で選んだ、用語は分かるが理由を説明できない、消去法だけで正解した、といった問題は復習候補です。

正解したものの自信がなかった問題は、解説まで確認して「なぜ他の選択肢ではないのか」を言葉にしておくと、次に似た条件の問題が出たときの判断材料になります。

弱点は「分野名」より原因まで掘る

同じセキュリティ分野を何度も間違えていても、原因が同じとは限りません。

こうした違いを全部「セキュリティが苦手」でまとめると、教材を最初から読み直すことになります。

弱点分析を開いたら、まず数問解き直し、「知識不足」「似たサービスの混同」「条件の読み落とし」のどれに近いかを確認します。

知識不足なら教材へ戻る。混同なら比較する。読み落としなら問題文の条件に線を引くようなつもりで読む。原因によって復習方法を変えます。

模擬試験は「本番の動き」を作るために使う

CLF-C02は90分で65問です。単純計算では1問あたり約83秒ですが、すべての問題に同じ時間を使う必要はありません。

知っている問題は早めに処理し、迷う問題に時間を残します。1問で長く止まり続けるより、いったん進んで後から見直す判断も必要です。

資格合格.webの模擬試験では、総合点だけを見るのではなく、終了後に次を確認します。

模試の点数が上がっていても、同じ種類のミスが残っているなら本番で再発する可能性があります。

逆に、1回の点数が低かっただけで全範囲を最初からやり直す必要もありません。結果を分解して、次の学習箇所を決めるために使います。

4段階で学習を進める

CLF-C02対策を大きく4段階に分けると、今やることを判断しやすくなります。

資格合格.webで回すCLF-C02学習サイクル

学習教材、問題演習、弱点分析、復習、模擬試験を順に進み、模試結果から再び弱点分析へ戻る資格合格.webの学習サイクル。

一方向に教材を読み切るのではなく、問題と結果から必要な場所へ戻ることで学習を絞ります。

1. 土台を作る

クラウドの利点、責任共有モデル、リージョンとアベイラビリティーゾーン、料金の基本、主要サービスの大分類を学びます。

この段階では、サービスの細かい機能を全部覚える必要はありません。

2. 似たものを比較する

S3/EBS/EFS、EC2/Lambda、CloudWatch/CloudTrail、IAMユーザー/IAMロールなど、問題で同時に選択肢へ出ると迷いやすい組み合わせを比較します。

「似ているところ」より「何が違えば選択肢が変わるか」を言える状態を目指します。

3. 問題で判断する

問題演習へ進み、知識を状況へ当てはめます。間違えたら答えの暗記ではなく、条件の読み落としやサービスの混同を探します。

ここから弱点分析を本格的に使います。

4. 模試で本番の流れを確認する

時間を意識して65問を処理し、結果から弱点へ戻ります。

模試を受けるたびに新しい教材を増やすのではなく、最後は自分の間違い履歴と比較系の弱点を中心に絞ります。

試験直前にやること、やらないこと

直前に知らないAWSサービスを見つけると不安になります。しかし残り時間が少ないほど、知識を無制限に広げるより、すでに触れた範囲の取りこぼしを減らす方が安定します。

優先して確認したいのは、次のようなものです。

一方、公式試験範囲を越えて高度な実装手順を新しく掘り始めたり、知らないサービスを片っ端から暗記したりするのは優先度を下げます。

分からない問題に出会ったときの最後の絞り方

本番では、完全に知らないサービス名が選択肢に入ることもあります。

その場合でも、すぐに諦めず次の順番で確認します。

  1. 問題が求めている目的を一言にする
  2. 「最小」「自動」「高可用」「監査」「コスト」など条件語を拾う
  3. 明らかにカテゴリが違う選択肢を外す
  4. 残った候補で、AWSのマネージドサービスや最小権限などの考え方に合うものを比較する

知らない用語が一つあるだけで問題全体が解けないとは限りません。

「どれを知っているか」ではなく、「この条件に合わないものはどれか」という見方でも候補を減らせます。

このガイドを読み終えたら

まだAWSの基礎用語が曖昧なら、まず学習教材でクラウドの基礎と主要サービスを一通り確認します。

大分類は分かるが問題になると迷うなら、問題演習へ進み、似たサービスを取り違える場面を見つけます。

すでに問題演習を進めているなら、弱点分析から正答率の低い分野だけでなく、同じサービス比較を繰り返し間違えていないか確認します。

一通り学習が終わっているなら、模擬試験で時間配分と判断速度まで含めて確認します。

Cloud Practitioner対策で目指したいのは、AWSサービス名を大量に言える状態ではありません。問題文の目的と条件を読み、候補となるサービスや考え方を自分で絞れる状態です。

その状態になれば、初めて見る文章の問題でも、覚えた一文を探すのではなく、自分の判断で選択肢を比較できるようになります。