AWSサービスを丸暗記するのではなく、問題文の「目的・利用主体・管理範囲・最優先条件」から候補を削るためのCLF-C02専用攻略ガイド。似たサービスの比較、失点パターン、2週間・4週間の学習ルートまで具体化します。
運営:資格合格.web 運営/更新日 2026-10-05/読了目安 20分
AWS Cloud Practitioner 攻略ガイド
AWS Certified Cloud Practitioner(CLF-C02)は、サービス名をたくさん知っている人ほど有利な試験に見えます。実際は、それだけでは安定して点が取れません。
本番で問われやすいのは、「この会社は何をしたいのか」「どの条件が最優先なのか」を読み取り、その条件に合うAWSの考え方やサービスを選ぶ力です。
たとえば、EC2とLambdaを両方知っていても、「サーバー管理を減らしたい」「イベント発生時だけ実行したい」という条件を拾えなければ迷います。CloudWatchとCloudTrailも、名前の説明を覚えるだけではなく、「性能や状態を見たいのか」「誰が何を操作したか追いたいのか」を切り分ける必要があります。
このガイドでは、AWSサービスを五十音順のように覚えるのではなく、問題文の条件から答えを絞る順番を中心にCLF-C02を攻略します。
このページのミニケースは、判断方法を説明するために資格合格.webが独自に作成した例です。AWS認定試験の実問題を転載・再現したものではありません。
最初に結論:CLF-C02で失点しやすい3パターン
CLF-C02で崩れやすいのは、知識がゼロだからとは限りません。次の3つが特に危険です。
1. サービス名と一行説明だけを覚える
「S3はオブジェクトストレージ」「CloudTrailは操作履歴」のような暗記は土台として必要です。
ただし本番では、その一行をそのまま聞く問題だけではありません。似た役割を持つサービスや、もっと条件に合うサービスと比較させられます。
説明を覚えたら、次に「どんな条件なら選ぶか」までセットで覚えるのが重要です。
2. 問題文の強い条件を読み飛ばす
「最小の運用負荷」「高可用性」「長期保存」「監査」「最小権限」「中断可能」といった言葉は、選択肢を分ける手掛かりになります。
AWSの問題は、サービス名を探すより先に、こうした条件語を見つける方が解きやすいことがあります。
3. 正解だけ覚えて誤答を捨てる
問題演習でS3が正解だったとしても、「なぜEBSではないのか」が分からなければ、条件を少し変えられただけでまた迷います。
CLF-C02では、正解と誤答の境界を説明できるかが実戦力になります。
まず試験範囲を見て、深追いする場所を間違えない
AWS公式のCLF-C02試験ガイドでは、対象受験者に求める範囲としてAWS Cloud全体の基礎知識が示されています。一方で、コーディング、クラウドアーキテクチャ設計、トラブルシューティング、実装、負荷・パフォーマンステストなどは対象受験者の職務範囲外とされています。
つまり、試験勉強の段階で高度な実装手順まで掘り続ける必要はありません。
優先するのは次の4つです。
- AWS Cloudを使う価値とクラウドの考え方
- セキュリティと責任共有モデル
- 主要サービスの役割と使い分け
- 料金、コスト管理、サポート
CLF-C02の採点対象コンテンツの比率は次のとおりです。
| 分野 | 比率 | 学習時の見方 |
|---|---|---|
| クラウドのコンセプト | 24% | AWSを使う理由、可用性、俊敏性、クラウド経済 |
| セキュリティとコンプライアンス | 30% | 責任共有、IAM、セキュリティ、コンプライアンス |
| クラウドテクノロジーとサービス | 34% | コンピューティング、ストレージ、DB、ネットワーク等 |
| 請求、料金、サポート | 12% | 料金モデル、コスト管理、サポート |
比率が低い分野を捨てるのではなく、比率が高いのに自分が弱い分野を最優先で補強するために使います。
問題文は「サービス名」ではなく4つの順番で読む
AWS問題で迷ったときは、次の順番に戻ると整理しやすくなります。
- 目的は何か 保存、実行、監視、監査、権限管理、コスト削減など、何をしたい問題なのかを一言にする。
- 誰・何が使うか 人、EC2、複数サーバー、アプリケーション、組織全体など利用主体を見る。
- 管理をどこまでAWSに任せたいか 自分でサーバーを管理するのか、マネージドサービスへ寄せたいのかを見る。
- 最優先条件は何か 高可用、低コスト、長期保存、監査、最小権限、自動化などの決定語を見る。
この順番で読むと、「知っているAWSサービスを探す」から「条件に合う候補を残す」に変わります。
ミニケース:コードを実行したい
「処理を実行したい」だけならEC2もLambdaも候補になります。
しかし、「イベント発生時だけ」「サーバーのプロビジョニングや管理を減らしたい」という条件が付けば、Lambdaを強く疑えます。
同じカテゴリの中で、何が選択条件になるかを覚えるのがCLF-C02攻略の中心です。
リージョンとAZは住所ではなく「障害範囲」で考える
リージョンとアベイラビリティーゾーン(AZ)は、用語だけなら簡単です。
しかし問題では、「どこにあるか」より「どの障害に備えたいか」が重要になります。
- 単一AZ障害への耐性を高めたい → 複数AZを考える
- 地理的に離れた地域まで分離したい → 複数リージョンを考える
- 利用者に近い地域を選びたい → リージョン選択が関係する
- データ所在地など地域要件がある → リージョンが判断材料になる
リージョンとAZの関係を問題文の条件で見る
AWSのグローバルインフラストラクチャからリージョン、その中の複数AZへ続く階層と、複数AZは高可用性、別リージョンは地理的分離の判断材料になることを示す図。
- AWS グローバルインフラストラクチャ
- リージョン
- AZ 1
- AZ 2
- AZ 3
「リージョンの中にAZがある」で暗記を止めず、どの大きさの障害や要件を分離したいのかまで考えます。
ストレージは「データの形」と「誰が使うか」で分ける
S3、EBS、EFSは、すべて保存に使えるため混ざりやすい代表例です。
| サービス | 最初に見るポイント | 典型的な判断材料 |
|---|---|---|
| Amazon S3 | オブジェクトとして保存する | 画像、バックアップ、静的データ、大規模保存 |
| Amazon EBS | EC2へブロックストレージを接続する | インスタンスのディスクとして使う |
| Amazon EFS | 複数のLinux系環境などでファイル共有する | 共有ファイルシステムが必要 |
S3・EBS・EFSを使い方から絞る
データ保存の要件から、EC2のディスクならEBS、複数Linux系EC2で共有するファイルならEFS、オブジェクトとして保存するならS3へ分岐する判断フロー。
ミニケース:画像ファイルを大量保存したい
大量の画像をオブジェクトとして保存し、高い耐久性を求めるならS3を考えます。
ミニケース:EC2のディスクとして使いたい
EC2へブロックストレージを接続したいならEBSが候補です。
ミニケース:複数EC2から同じファイルを使いたい
共有ファイルシステムとして利用したいならEFSを考えます。
この3つは「ストレージサービスの説明」を暗記するより、データをどう使うかで覚える方が崩れにくくなります。
IAMは「人」「役割」「許可ルール」に分解する
IAMは似た単語が並ぶため、丸暗記すると混乱しやすい分野です。
- IAMユーザー:個別の主体
- IAMロール:必要な主体が引き受けて利用する権限
- IAMポリシー:許可・拒否する操作を定義するルール
IAMは『主体・役割・許可内容』を分けて考える
利用主体がIAMユーザーまたはIAMロールを通じ、IAMポリシーで定義された許可に基づいてAWSリソースへアクセスする関係を示す図。
たとえばEC2からS3へアクセスさせたい場合、アクセスキーをEC2内へ長期保存するより、IAMロールを利用する設計が基本的な判断候補になります。
ここでは「アクセスできるか」だけでなく、認証情報をどう安全に扱うか、必要以上の権限を与えていないかを見ることが重要です。
責任共有モデルは「AWSか利用者か」を丸ごと覚えない
「セキュリティはAWSがやる」と覚えると危険です。
AWSの責任共有モデルでは、AWSはクラウドそのもののセキュリティを担い、利用者は利用するサービスに応じてクラウド内での設定、データ、権限などに責任を持ちます。
責任共有モデルは『クラウドのセキュリティ』と『クラウド内のセキュリティ』で分ける
問題で迷ったら、対象を具体化します。
- 物理データセンター
- 基盤となるハードウェア
- IAM権限
- 保存するデータ
- OS設定
- 暗号化設定
「セキュリティ」という大きな言葉だけで判断せず、何の管理責任を聞いているかまで分解します。
CloudWatchとCloudTrailは「状態」と「操作履歴」で切る
どちらも監視・記録系に見えるため、初心者がよく混同します。
CloudWatchは、メトリクス、ログ、アラームなど、リソースやアプリケーションの状態を観測するときに候補になります。
CloudTrailは、AWS APIやアカウント内のアクティビティを追跡し、誰が何を操作したかを確認するときに候補になります。
CloudWatchとCloudTrailは『何を知りたいか』で分ける
知りたい内容がリソースの状態やメトリクスならCloudWatch、AWS API操作の履歴ならCloudTrailへ分岐する比較図。
CPU使用率が高いことを検知したい
見たいのはリソースの状態です。CloudWatchを考えます。
設定変更を行った主体を確認したい
見たいのは操作履歴です。CloudTrailを考えます。
「どちらもログ」という共通点で覚えるのではなく、何を確認したいのかで分けます。
料金問題は3種類に分けると迷いにくい
料金分野は、サービスや料金モデルの名前が多く、暗記し始めると終わりが見えません。
まず問題を3種類に分けます。
1. コンピューティングの購入・利用方法
見る条件は次のようなものです。
- 使用量が変動する
- 長期間継続して使う
- 中断されても問題ない
- 一定の利用量を約束できる
オンデマンド、Savings Plans、Reserved Instances、Spot Instancesなどは、単純な価格順ではなく、利用条件に対して選べるかで考えます。
2. これから費用を見積もる
構成前に概算したい場合はAWS Pricing Calculatorが候補になります。
3. すでに発生しているコストを見る・管理する
発生済みコストを分析するならCost Explorer、予算しきい値を管理するならAWS Budgetsなど、目的を分けます。
「コスト系サービス」という一箱に入れず、見積もり・分析・予算監視に分けて覚えます。
「似たサービス」を自分専用の二択表にする
CLF-C02対策では、100個のサービス説明を均等に読み直すより、自分が迷った組み合わせを集めた方が効率的です。
たとえば次のような形です。
| 迷った組み合わせ | 最後に見る条件 |
|---|---|
| S3 / EBS | オブジェクト保存か、EC2のブロックストレージか |
| EBS / EFS | 単一インスタンス寄りのブロックか、共有ファイルシステムか |
| EC2 / Lambda | サーバー管理をするか、イベント駆動で管理を減らすか |
| CloudWatch / CloudTrail | 状態を見るか、操作履歴を見るか |
| IAMユーザー / IAMロール | 固定主体か、引き受ける権限か |
| Pricing Calculator / Cost Explorer | 事前見積もりか、発生済みコスト分析か |
この表を最初から丸暗記するのではなく、実際に自分が間違えた組み合わせだけ追加するのがおすすめです。
それが自分専用の弱点表になります。
問題演習では「なぜ誤答か」を1行で言う
CLF-C02の問題演習で最ももったいないのは、正答だけ確認して次へ進むことです。
間違えたら次の3点を確認します。
- 問題文の決定語は何だったか
- 自分が選んだ選択肢は、どんな条件なら正解になるか
- 正解と誤答を分けた条件は何か
たとえばCloudWatchとCloudTrailで迷ったなら、
- CloudWatch:状態・メトリクス・アラーム
- CloudTrail:API操作・アクティビティ履歴
のように、違いを一行で言える状態にします。
正解した問題でも、二択で勘に近かったなら復習対象です。
弱点分析は分野名ではなく「迷い方」を見る
「セキュリティが苦手」とだけ考えると、範囲が広すぎます。
同じセキュリティ分野でも、原因は違います。
- IAMユーザーとIAMロールを混同する
- 責任共有モデルの担当範囲を逆にする
- 最小権限という条件を読み飛ばす
- CloudTrailをCloudWatchと混同する
- コンプライアンス系サービス名を覚えていない
資格合格.webの弱点分析を見るときも、分野の正答率だけで終わらせず、どの種類の迷い方を繰り返しているかを確認します。
知識不足なら教材へ戻る。比較で迷うなら二択表へ追加する。条件を読み飛ばすなら問題文の読み方を直す。
原因で復習方法を変えます。
模擬試験は「65問を処理する判断速度」を測る
CLF-C02は90分・65問です。
単純計算では1問あたり約83秒ですが、実際には知っている問題を早く処理し、迷う問題に時間を残す必要があります。
模擬試験では総合点だけでなく、次を見ます。
- 最後まで時間内に到達できたか
- 同じサービス比較で何度も止まっていないか
- 条件語を読み落とした問題がないか
- 正解したが異常に時間を使った問題がないか
- 特定分野だけ大きく落としていないか
CLF-C02は各分野ごとに合格点を要求する方式ではなく、試験全体で合否が判定されます。
だからこそ、模試結果から「全部やり直す」のではなく、次に最も点を伸ばしやすい弱点へ戻るのが効率的です。
2週間・4週間で進めるならこう分ける
学習期間が決まっていない人向けに、資格合格.webでは次のような進め方をおすすめします。
2週間で仕上げる場合
前半
- クラウドの基本
- 責任共有モデル
- IAM
- リージョン・AZ
- EC2、Lambda、S3、EBS、EFS、RDSなど主要サービス
- 料金・コスト管理
後半
- 問題演習中心へ移行
- 間違えた二択を比較表へ追加
- 弱点教材だけ読み直す
- 模擬試験
- 直前は新しい範囲を増やさず誤答中心に復習
4週間取れる場合
1週目:クラウドの土台 クラウドの価値、グローバルインフラ、責任共有、Well-Architectedなどを押さえます。
2週目:主要サービスを用途別に整理 コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーク、監視、セキュリティをカテゴリごとに学びます。
3週目:問題演習で比較力を作る 知識確認ではなく、似た選択肢の違いを説明できる状態を目指します。
4週目:模試と弱点だけに絞る 新しい教材を増やさず、自分の誤答履歴と弱点比較を中心に仕上げます。
資格合格.webで回すCLF-C02学習サイクル
学習教材、問題演習、弱点分析、復習、模擬試験を順に進み、模試結果から再び弱点分析へ戻る資格合格.webの学習サイクル。
試験直前に広げない方がいいもの
直前になると、知らないAWSサービス名を見つけるたびに不安になります。
ただしCLF-C02では、直前期に無制限に範囲を広げるより、すでに学んだ主要範囲の取りこぼしを減らす方が安定します。
優先して見直すものは次のとおりです。
- 2回以上間違えた問題
- 自分専用の二択表
- 責任共有モデル
- IAMと最小権限
- S3 / EBS / EFS
- EC2 / Lambda
- CloudWatch / CloudTrail
- 料金モデル
- Cost Explorer / Budgets / Pricing Calculator
- リージョン / AZ
- 出題比率が高いのに正答率が低い分野
逆に、試験直前から高度な実装手順やアーキテクチャ設計を深掘りする優先度は低めです。
本番で知らないサービス名が出ても、すぐ捨てない
本番では、自分が十分に覚えていないサービスが選択肢に出ることがあります。
そのときは次の順で絞ります。
- 問題の目的を一言にする
- 決定語を拾う
- 明らかにカテゴリが違う選択肢を外す
- AWSのマネージドサービス、最小権限、高可用性など問題文に合う考え方を見る
- 残った二択で「何が違えば選択肢が変わるか」を考える
知らないサービスが一つあるだけで、問題全体が解けないとは限りません。
資格合格.webでのおすすめ学習ルート
CLF-C02では、教材だけ、問題だけ、模試だけに偏るより、次の循環を作る方が効果的です。
基礎がまだ曖昧
教材 → 基礎問題
主要サービスをすべて完璧にしてから進む必要はありません。大分類が分かったら早めに問題へ移ります。
サービス名は分かるが問題で迷う
標準・本番問題 → 解説 → 二択表
この段階では新しいサービスを増やすより、似たサービスの境界を固めます。
正答率が伸びなくなった
弱点分析 → 間違い方を分類 → 必要な教材だけ戻る
「AWS全体を復習」ではなく、迷い方単位で戻ります。
一通り仕上がった
模擬試験 → 誤答と時間を確認 → 弱点だけ修正 → 再度模試
最後に目指したいのは、AWSサービス名を大量に暗唱できる状態ではありません。
問題文を読んだとき、目的 → 利用主体 → 管理範囲 → 最優先条件の順に整理し、候補を自分で削れる状態です。
ここまでできれば、見慣れない文章でも「覚えた説明と同じ文を探す」のではなく、自分の判断で答えを絞れるようになります。