標準原価計算の仕訳・計算演習
製品80個の材料差異を計算し、価格の節約と数量の浪費が同時に起きる例を解きます。労務費の差異と標準額への勘定振替も扱います。
この単元で学ぶこと
- 有利・不利が混在する差異を合算できる
- 実際量と許容標準量を正しく選べる
- 指定された仕訳方式で差異を分離できる
本文解説
資料と標準量 製品一個の標準材料は3kg、標準価格200円/kg。実際完成80個なので標準量240kg、標準材料費48,000円です。実際使用量250kg、実際価格190円/kgとします。実際費用は47,500円です。
価格差異の解答 (200-190)×250=2,500円有利。実際に消費した250kgの単価が10円安いためです。240kgへ掛けた2,400円は、ここで指定する消費時点の価格差異ではありません。
数量差異の解答 (240-250)×200=-2,000円。標準より10kg多く使っており2,000円不利です。総差異は2,500有利-2,000不利=500円有利。標準48,000-実際47,500でも500円になります。
価格が上がる別資料 数量条件は同じで実際価格が210円なら実際費用52,500円。価格差異2,500不利と数量差異2,000不利で総差異4,500不利です。単価だけ変えたとき数量差異まで変えてはいけません。
労務費の別資料 標準0.5時間/個、標準賃率1,200円、完成80個。標準40時間で48,000円です。実際38時間・賃率1,250円なら実際47,500円。賃率差異1,900不利、時間差異2,400有利で差引500有利になります。
パーシャルプランの例 期首期末仕掛品がなく、仕掛品借方に実際原価47,500円を記録済みとします。完成標準原価48,000円を製品へ振り替えると、差額500円有利です。「製品48,000/仕掛品47,500、原価差異500」と整理できます。指定された差異科目名に従います。
不利差異の仕訳 同じ条件で実際原価52,500、標準48,000なら「製品48,000、原価差異4,500/仕掛品52,500」。不利差異は借方、有利差異は貸方で取り出します。この単純化例では原価差異をどう期末処理するかまでは扱っていません。
検算と改善 差異を符号付きで合算した値が標準-実際と同じか確認します。数量の超過が材料の質、設備不良、作業ミスのどれによるかは、この数値だけでは断定できません。標準の設定が妥当かも含めて追加資料を調べます。
図解
重要ポイント
- 材料価格2,500有利、数量2,000不利、総額500有利。
- 労務賃率1,900不利、時間2,400有利、総額500有利。
- 単純パーシャル例では有利差異は貸方、不利は借方。
間違えやすい点
- 有利と不利を同方向に足さない。
- 実際単価の変更で標準数量差異を変えない。
- 標準原価と実際原価の差を現金残高と混同しない。
用語解説
- 有利差異
- この単元では実際原価が標準原価を下回る差異。
- 不利差異
- この単元では実際原価が標準原価を上回る差異。
- パーシャルプラン
- 仕掛品に実際原価を記録し、標準による完成振替などとの差異を把握する方式。
関連教材
参考資料
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