データ・サーバー移行と接続の違いと使い分け

DB・サーバー・ファイルという移行対象と、インターネットVPN・専用接続・物理移動という経路を別の軸で比較します。要件に対して何が自動化され、何を別に準備するかを判断します。

この単元で学ぶこと

  • 対象と変更方針から移行サービスを選ぶ
  • VPN・Direct Connect・物理方式を比較する
  • 転送完了と切替・業務検証を区別する

本文解説

1. DBの構造を変えるか 既存DBの行を別DBへ移す場合はDMSの対応を調べます。移行先のエンジンも変えるならSchema ConversionやSCT等で表とコードの互換性を評価します。同じエンジンだから全設定が無条件で同じとは限りませんが、異なるエンジンならさらに型、関数、ストアドコード等の差が重要です。

2. サーバーを保つか OSとアプリの構成を大きく変えず移すならMGNのサーバー複製と起動を比較します。移行後にアプリの改修やマネージドサービスへの置換を進める計画もあります。最初のリホストと後からの改善を分けることで、現在の依存関係と停止時間の要件を整理できます。

3. ファイルだけを動かすか 共有ファイルやオブジェクト群の移動にはDataSync等を比較します。継続的にオンプレミスアプリのNFS/SMBアクセスをS3につなぐ入口が必要なら、Storage Gatewayの役割も別に考えます。ストレージ間の転送作業と、日々利用するハイブリッドのアクセス経路は同じではありません。

4. VPNの特徴 通常のSite-to-Site VPNはインターネット等の経路にIPsecトンネルを構成して拠点間通信を保護します。インターネット経由の方式では回線品質の影響も考えます。VPN接続を作っても、移行元DBの認証や移行先アプリの認可が自動で完了するわけではありません。通信の保護と利用権限を分けて確認します。

5. Direct Connectの特徴 専用接続によってAWSへの経路を用意するDirect Connectは、接続の安定性や帯域の要件で比較します。導入の手配や冗長構成も検討します。専用であるだけで既定の暗号化が付くとは考えず、IPsecや対応接続のMACsec等、必要な暗号化の範囲を別に確認します。DataSync等と組み合わせる接続の選択肢です。

6. オンラインと物理 ネットワークが利用でき、期限内に送れるならDataSync等のオンライン方式を比較します。回線が細い場合でも、旧Snowの機器注文を新規企業へそのまま案内しません。現行のData Transfer Terminalは自分のデータ機器を施設へ持ち込む方式です。コピー・移動・予約・取込み・検証まで含めて時間と費用を比べます。

7. データ量だけで決めない たとえば同じ10TBでも、固定した画像群と更新が続くDBでは整合性と切替の扱いが違います。一般ファイル転送が速くてもDBの取引を安全に移せるとは限りません。ファイル数、更新頻度、型、ネットワーク、停止の許容、戻す条件など、移行対象に必要な条件を整理します。

8. 達成を段階別に確認 MGNなら複製・テスト起動・切替、DMSなら構造準備・データ移行・変更追従・接続切替というように段階を分けます。最後に業務の読取りや更新が必要な権限で動くかを確認します。ジョブ完了という同じ表示でも、何の工程が終わったのかを見て、未実施の作業を明示します。

図解

二つの軸で選ぶ
移行ツールの採用と接続経路の採用は組み合わせて考えます。

重要ポイント

  • 対象と経路は異なる比較軸。
  • 専用回線は暗号化やアプリ権限そのものではない。
  • 古い機器注文の例を現行の新規案件へ無条件に転用しない。

間違えやすい点

  • 同じデータ量なら同じ移行方法が最適と考える。
  • 転送の成功を切替後の業務成功と考える。

用語解説

オンライン転送
ネットワーク接続を通じてデータを送る方式。
専用接続
インターネット経由の通常の接続とは別の専用経路を確保する接続方式。
ハイブリッドアクセス
オンプレミス等のアプリからクラウドの資源を組み合わせて利用する接続。

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参考資料

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