EBSボリュームタイプを理解する

EBSはEC2からディスクとして使うブロックストレージです。容量だけでなく、小さな読み書きの回数、大きな連続転送、遅延の要求からタイプを選びます。

この単元で学ぶこと

  • IOPS・スループット・遅延を区別する
  • SSDとHDDのタイプを負荷特性から選ぶ
  • AZ・EC2上限・復元条件を含めて設計する

本文解説

1. ブロックストレージ EBSはEC2のOSからディスクとして扱い、ファイルシステムやDBを載せる保存先です。ボリュームはAZの資源で、通常は同じAZのEC2へアタッチします。複数AZのすべてのサーバーから同じファイルを使う要件とは異なるため、共有ファイルならEFS等との比較が必要です。

2. 性能の三つの物差し IOPSは1秒間のI/O回数、スループットは1秒間の転送量、レイテンシーは操作完了までの時間です。小さなデータを何度も読むDBと、大きなログを連続して読む分析では求める性能が違います。同じIOPSでもI/Oサイズが違えば転送量は変わるため、三つを別々に見ます。

3. gp3とgp2 gp3は汎用SSDで、保存容量とは別にIOPSとスループットを調整できます。必要以上の容量を増やさず性能を調整したい場合に役立ちます。gp2は容量に基づくベースラインと条件に応じたバーストを持ちます。移行ではサイズだけを写さず、現在の実測性能と新しい設定を照合します。

4. io2の適用条件 特にI/Oが多く遅延に敏感な重要DBでは、Provisioned IOPS SSDのio2 Block Expressを検討します。ただし高価なタイプを選べば必ずアプリ全体が速くなるわけではありません。必要IOPS、遅延、耐久性、接続EC2の対応と上限を確認し、gp3で要件を満たせるかとも比較します。

5. HDDの使い分け st1は大きな連続読み書きでスループットを重視するログ処理等に向きます。sc1はアクセスが少ない連続データへ費用を抑えたい場合の候補です。小さなランダムI/Oが頻繁なDBにはSSDを検討します。st1とsc1は起動ボリュームに使えないため、OS用かデータ用かも条件になります。

6. 二段階の上限 ボリュームのIOPSを上げてもEC2のEBS帯域が先に上限へ達すれば性能は伸びません。複数ボリュームの合計もEC2側の上限で制約されます。I/Oサイズ、キュー待ち、レイテンシーを測り、ボリュームとEC2の両方を評価します。最大値や価格は変更され得るため、導入時の公式仕様を確認します。

7. 変更とファイルシステム 対応条件下ではElastic Volumesを使ってサイズ・タイプ・性能を変更できます。ただし容量を拡張しただけでは、OSのパーティションやファイルシステムが自動で全容量を使うとは限りません。バックアップ、変更状態の確認、OS側の拡張、実測による性能確認までを手順として持ちます。

8. 保存と復旧は別 EBSの性能タイプはバックアップ戦略の代わりにはなりません。スナップショットから必要なAZへ新しいボリュームを復元できますが、アプリ整合性や復元後の初回読取り性能も評価します。特にDBでは取得時の書込みを適切に扱い、実際に復元して起動できることを検証します。

図解

EBS選択の三段階
ボリュームタイプだけで性能と復旧の全要件は決まりません。

重要ポイント

  • 回数・転送量・遅延を分けて計測する
  • ランダムI/O中心はSSD、大きな連続I/OはHDDも比較する
  • ボリュームとEC2の両方の性能制限を見る

間違えやすい点

  • st1/sc1をOSの起動ボリュームに選ばない
  • 容量増加だけで常に性能不足を解消できると思わない
  • 高性能タイプをバックアップやAZ冗長化の代わりにしない

用語解説

IOPS
1秒間に処理できる読み書き操作の回数。
スループット
単位時間に転送するデータ量。
ランダムI/O
連続しない位置へ細かくアクセスする読み書きの形。

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参考資料

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