責任共有モデルの全体像のシナリオ判断
事故や移行の場面から、どの層の作業を誰が担当するかを判断します。AWSの基盤保護と、自社が変更できる設定やコードを分けて解決策を選びます。
この単元で学ぶこと
- 事例からAWSと利用者の対応を判断する
- サービス変更による管理作業の変化を説明する
- 更新・教育・適合評価の対象範囲を確認する
本文解説
1. まず対象を特定する 「サーバーの問題」という表現だけでは担当を決められません。物理ホストの故障なのか、ゲストOSの未更新なのか、アプリの欠陥なのかを分けます。EC2の物理基盤ならAWS、利用者のゲストOSや配置したアプリなら利用者側の管理作業として整理します。
2. 通信設定の事故 社内向けEC2へ広い送信元を許可してしまった場合、利用者は必要な通信を確認してルールを修正します。AWSがセキュリティグループを提供していることは、業務に必要な送信元をAWSが決める意味ではありません。機能の提供者と設定の決定者を区別します。
3. 保存場所を変える演習 EC2上のファイルをS3へ移すと、保存サービスの基盤OSへのパッチ作業はAWS側になります。一方で、顧客情報を誰が読めるか、誤って公開していないかは利用者が管理します。移行前後の責任表は作業名を置き換えるだけでなく、管理する層から作り直します。
4. DB移行後の権限 EC2上のDBをRDSへ移しても、退職者のDB利用権限を外す判断は利用者側です。接続元の制限やDB利用者の権限も確認します。AWSに基盤運用を任せた効果と、業務上誰を許可するかという責任は別に扱います。
5. 関数の更新を二段階で見る Lambdaで自作コードの欠陥が見つかった場合は利用者が修正します。コンテナ方式で新ベースイメージが出た場合も、既存の配備イメージに取り込むため再構築・再配備が必要です。更新の公開、取り込み、配備、確認をそれぞれ区別して証跡を残します。
6. 統制名と対象層 監査表に「パッチ管理」とだけあるとAWSと利用者のどちらの作業か分かりません。基盤ホスト、ゲストOS、アプリの依存関係という対象を追記します。教育も対象従業員の所属を明記すると、AWS側の教育資料だけで自社教育を完了扱いにする誤りを防げます。
7. 証跡の使い方 AWSの統制資料は対象サービスや期間、評価範囲を確認して使います。自社が設定したアクセス権やデータの利用方法まで、その資料だけで証明できるわけではありません。自社構成の証跡と組み合わせ、要件ごとにどの資料が何を示すかを整理します。
8. 運用引継ぎで確認する 担当表では「AWSへ任せる」だけで終えず、利用者に残る設定・更新・データ管理の担当者を決めます。サービス変更後も旧担当表をそのまま使うと抜けが生じます。具体例としてS3移行後は基盤OS更新を外し、バケット権限とデータ分類を利用者の確認事項に残します。
図解
重要ポイント
- 障害や欠陥がある層から担当を判断する。
- マネージド化後も自社権限とデータ管理は残る。
- 公開済みの更新と適用済みの更新を分ける。
間違えやすい点
- 提供された機能の設定責任までAWSに移ったと考える。
- 基盤の証跡だけで自社の利用方法も適合したと考える。
用語解説
- 管理対象の層
- 物理基盤、ゲストOS、アプリ、データなど責任を分ける単位。
- 更新の配備
- 更新済みのコードやイメージを実際の実行環境へ配置すること。
- 統制の証跡
- 対象範囲で管理策が実施されていることを評価する資料。
関連教材
参考資料
教材データに登録された参考リンクです。リンク先の内容や更新日は提供元でご確認ください。
- https://docs.aws.amazon.com/aws-certification/latest/cloud-practitioner-02/cloud-practitioner-02-domain2.html
- https://aws.amazon.com/compliance/shared-responsibility-model/
- https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/UserGuide/UsingWithRDS.html
- https://docs.aws.amazon.com/lambda/latest/dg/runtime-management-shared.html
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