連携・顧客対応・アプリ配信の全体像

注文処理をつなぐ仕組みと、顧客・端末・従業員へアプリケーションを届ける仕組みを学びます。まず何を誰へ渡すのかを整理し、メッセージ待機、通知、イベント振分け、利用者向け配信の役割を区別します。

この単元で学ぶこと

  • SQS・SNS・EventBridgeの基本的な役割を説明する
  • メール・顧客対応・端末接続の用途を区別する
  • Web開発とデスクトップ・アプリ・ブラウザー配信を選び分ける

本文解説

1. 処理を分けてつなぐ 注文受付が画像処理や発送準備の終了まで待つ構成では、後段が遅いと受付にも影響します。処理依頼をメッセージとして渡し、後段が別の速度で処理できるようにするのが疎結合の例です。ただし、受付成功と発送完了は別の状態になります。状態の通知、再試行、重複に備えた実装を合わせて考えます。

2. SQSで仕事を待たせる Amazon SQSはメッセージをキューに保持し、受信する処理へ渡すサービスです。画像変換の依頼を一旦ため、ワーカーが受信して処理する例が適します。同じキューから複数ワーカーが仕事を分担できますが、それだけで全ワーカーへ同じ依頼のコピーを配る設計にはなりません。処理成功後に削除する流れを設計します。

3. SNSの通知とSESのメール Amazon SNSはトピックへの発行を購読先へ配信するPub/Subです。受注通知を在庫用と配送用のSQSキューへそれぞれ渡すと、処理を独立させられます。Amazon SESは自社ドメイン等のメール送受信基盤で、注文確認メールやニュースレターに利用します。SNSにもメール通知がありますが、独自の顧客メール配信を設計する用途と同じものとして扱いません。

4. EventBridgeで出来事を振り分ける イベントは注文確定や資源の状態変化など、発生した出来事の記録です。EventBridgeではイベントバスへ届くイベントの内容をルールのパターンと照合し、対象の処理へ送ります。例えば発送完了だけを通知処理へ、取消しだけを返金処理へ送ります。ルールに一致したことは、送信先の業務処理まで成功したという意味ではありません。

5. 顧客対応のConnect 試験範囲のAmazon Connectはコンタクトセンターの用途で理解します。現行資料では従来の製品をAmazon Connect Customerと呼び、Connectをより広い製品群の名称として使っています。電話やチャットで受けた問い合わせをフローや待ち行列に沿って担当者へつなぎます。担当者向けの顧客対応と、バックエンドのSQSメッセージ待機は異なる役割です。

6. 機器をつなぐIoT Core AWS IoT Coreはセンサー等の機器とクラウドを接続する用途です。例えば工場の温度センサーがMQTTで測定値を送り、後段の保存・分析へつなぎます。機器の認証やポリシーを定め、どの機器がどの宛先へ送信できるかを制御します。MQTT等の機器通信と、業務ワーカーがキューを受信する処理は役割を分けて組み合わせます。

7. アプリを作って公開するAmplify AWS AmplifyはWeb・モバイル向けアプリ開発を支援します。Amplify HostingではGitと連携したビルド・デプロイやWebアプリの配信を行えます。例えば商品一覧のWeb画面を更新し、変更を公開する流れです。認証やデータ機能との連携も設計できますが、画面を公開しただけで顧客データのアクセス権限が業務どおりになるわけではありません。

8. 従業員へ作業環境を届ける Amazon WorkSpacesは仮想デスクトップを提供します。Personalの専用で永続的な環境とPools等の方式を区別します。試験ガイドのAppStream 2.0は現行名Amazon WorkSpaces Applicationsに対応し、AWS上で動くデスクトップアプリを端末へ配信する用途です。WorkSpaces Secure Browserはクラウド上のブラウザーを通じて社内WebやSaaSへアクセスする用途です。必要なのがデスクトップ、アプリ、Webアクセスのどれかを整理します。

図解

渡す対象から役割を選ぶ
同じシステム内でこれらを組み合わせられます。図の各役割が全案件で必要という意味ではありません。

重要ポイント

  • キューの仕事分担とPub/Subの複数先配信を区別する。
  • メール、顧客対応、IoTは利用者と通信の目的から選ぶ。
  • 旧試験名と現行名称を用途で対応付ける。

間違えやすい点

  • メッセージ受付を業務処理の完了とみなす。
  • 同じ画面配信という理由だけでAmplifyと仮想デスクトップを同一視する。

用語解説

疎結合
構成要素の直接的な依存を減らし、変更や処理速度の差を扱いやすくする設計。
Pub/Sub
発行者がトピック等へ送り、購読者へ配信する方式。
イベント
状態変化等の出来事を表す情報。
MQTT
機器通信等に用いられる軽量なPub/Subのプロトコル。

関連教材

参考資料

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